しかし、こうした東方シフトは正しく、有望な針路だと見られている。ロシアの政財界では少しずつ、政治的にも経済的にも「欧米との未来はない」という意見が形成されつつある。 ロシアが前回、これほど強烈に西側を否定し、大きく東を向いたのは、恐らくロシア革命後に内戦が繰り広げられていた1918~25年のことだ。 当時のロシアは、ソ連に対抗する攻撃的な西側同盟と対峙していた。 ここで興味深い疑問は、この「アジア・トレンド」が欧米諸国との関係が正常化した時にすぐに衰える短期的なアプローチなのか、それとも本物の長期的なトレンドで、東アジア、東南アジア、南アジア諸国との本格的なパートナーシップに発展するものなのか、という問いだ。 新たな「東方シフト」の兆しが見えてきたのは、2012年、ウラジーミル・プーチン大統領がロシア国家の21世紀全体の概念として極東シベリア開発を宣言した時のことだ。同じ年に極東開発省が創