11月29日、カストロ前議長の弔問にキューバ大使館を訪れ、記帳簿に「諸民族の自決権を語り合った三十二年前の会談、いまも深く心に刻んでいます。日本共産党 不破哲三」と記しました。 「三十二年前の会談」とは、1984年11月、キューバ訪問の最後の日に、カストロ前議長(当時はキューバ政府首相)と語り合った会談のことです。(当時、私は党委員長でした) 11月20日午後7時30分に始まったこの会談は、夜遅く10時45分まで3時間以上にもわたりました。思えば、これが、カストロ前議長と日本共産党との最初にして最後の会談となったのでした。 キューバは、1959年1月、カストロを指導者とする革命勢力が対米従属のバチスタ反動政権を打倒して、民族の独立と自決の旗を高らかに掲げた革命政権を樹立し、その旗を守り抜くことに成功したラテンアメリカの最初の国家でした。60年代には、さらに進んで社会主義をめざす旗を掲げるよ