「北方領土を返して下さいよ」と僕は言った。「何を言ってるんですか、あそこはロシアの領土です。ロシアの国民も現に住んでます」と言う。「それは違います。日本の固有の領土です。1875年に日露間で樺太千島交換条約が結ばれた。これにより千島は日本の領土として正式に認められた。ところが日ソ中立条約を被って対日参戦し、北方領土を不法占拠した。その不法が今も続いているんです」「それは言いがかりです。悪意的な反露キャンペーンです。デマゴギーです」と言う。 戦争によって奪われた領土を、その後の「平和交渉」で取り戻したという例は、ほとんどない。じゃ、戦争によって奪われたものは、戦争によって奪い返すしかないのか。これでは「愛国者同士」の話し合いも、連帯も全く意味はない。長い間の友好の努力も水泡に帰してしまう。絶望的になった。 ロシアの「極右政党」といわれるロシア自由民主党党首のジリノフスキーさんと話している時だ