一般的に、外国による国内政治への干渉は「あってはならないこと」です。しかし、タテマエと実態が一致しないことは、世の中の常です。 欧米諸国では、2016年米国大統領選挙などにおける「ロシアの選挙干渉」に関する疑惑が深まっています。ところが、これまで他国の選挙や政治に深くかかわってきたのは、他ならない欧米諸国です。これまで欧米諸国が欧米以外で行ってきたことを、欧米以外の国によって欧米でされたからこそ、欧米諸国は「ロシアの選挙干渉」に神経質であるといえます。 疑惑の余波 1月29日、FBIのマケイブ副長官が退任。2016年米国大統領選挙に先立ってトランプ陣営とロシア政府が接触をもっていたという疑惑を受け、フリン補佐官やコーミーFBI長官の辞任・退任が相次ぐなか、マケイブ副長官の退任はトランプ政権からの事実上の圧力によるもので、「ロシアの選挙干渉」疑惑はさらに深みにはまっていく様相を呈しています。