岸田文雄首相は27日、ロシアによるウクライナ侵攻を巡る追加制裁を公表した。ロシアの大手銀行などを国際決済網から排除する米欧カナダの6カ国と欧州連合(EU)の措置に日本も参加すると表明した。首相公邸で記者団に明かした。国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの大手銀行などを締め出す内容となる。プーチン大統領らロシア政府関係者も資産凍結の対象に加える。首相はロシアの動きを「
毎週日曜夜のロシア国営テレビの人気ニュース番組「べスチ・ニェジェーリ」は27日、3週連続で日ロの平和条約締結交渉を特集、看板キャスターのドミトリー・キセリョフ氏は22日の日ロ首脳会談について「会談は3時間行われたが進展はなかった」とした上で「安倍晋三首相とプーチン大統領とのアプローチには違いがある。安倍首相はプーチン氏との個人的関係を通じて領土問題解決を目指しているが、プーチン氏は丁寧な態度ながらも、何より国家の間の関係を発展させるよう提案した」と述べ、プーチン氏が安倍氏との個人的関係をそれほど重視していない現実を指摘した。 キセリョフ氏はその理由について「(国家間の関係の方が)より信頼でき、当てになるからだ」と述べた。キセリョフ氏はロシア政府が対外宣伝の強化を目的に新設した国際通信社「今日のロシア」社長に任命されるなど、政権との関係が深く、その発言はクレムリン(ロシア政府)の意向を代弁し
こんなに成果が乏しい会談は珍しい-。5月下旬にモスクワで行われた日露首脳会談には、こんな厳しい評価が目立つ。北方四島での共同経済活動は早期に取り組む5つの事業に関する調査団派遣の合意にとどまり、事業化の前提となる日露双方の法的枠組みを害さない新たな枠組みに関しては進展がなかった。焦点の平和条約締結交渉も前進への意欲が示されただけで具体的な言及はなかった。 その予兆はあった。安倍晋三首相(63)が外遊する前は必ず「勉強会」と称する打ち合わせがあり、外務省の次官や審議官、局長らが首相官邸に出向く。5月24~27日の首相訪露では、外務省幹部はいつも以上に頻繁に官邸に出入りした。 ただ、勉強会から戻った幹部の言葉は総じて少なめで、表情も硬かった。首相とプーチン大統領との会談は今回で21回目という「異例の多さ」(外交筋)もあり、領土問題の進展を期待する空気があった分、その落差は印象的だった。 現地で
まるで残酷なスパイ映画のようだ。英国南西部の町のショッピングセンターで3月4日、ロシアの元情報機関員父娘が、意識不明になっているところを発見された。何者かに、筋肉の機能を阻害する神経剤の毒を盛られたとみられ、父親はいまなお生死の境をさまよっている。ロシアの関与が濃厚と断定した英国は直ちに外交官を追放し、米国やEU(欧州連合)各国もこれに呼応した。ロシアも対抗、派手な外交官の追放合戦に発展している。 米英同様G7(主要国首脳会議)の一員である日本は、事件を非難するものの、ロシアに対する一切の措置を控えている。このまま頬かむりで対ロ関係の進展だけを追求するのか、いずれ何らかの手段をとるのか。事件はしばらくは尾を引くとみられるが、懸念されるのは日本が各国から制裁への共同歩調を迫られることだ。拒否すれば、国際社会で孤立するし、制裁に同調すればロシアの反発を招く。安倍政権にとって、厄介で頭の痛い外交
首相官邸に到着したロシアのプーチン大統領と言葉を交わす安倍首相=16日午後 安倍晋三首相は17日放送の日本テレビのインタビューで、平和条約締結後に北方領土の色丹島と歯舞群島を引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言を巡り、ロシアのプーチン大統領が「主権を返すとは書いていない」と主張していると明らかにした。15、16両日の首脳会談でこうした趣旨の発言があったとみられる。 領土交渉でウクライナ情勢を巡る対ロ制裁を解除することが条件になっているかどうかについては「私とプーチン氏の間において条件だという話は一切なかった」と説明した。「日ロ関係を前進させていくことは、それをのみ込む価値があるものだと(プーチン氏は)理解している」と語った。
ロシアのプーチン大統領は15日からの日本訪問を前に、モスクワのクレムリン(大統領府)で、読売新聞、日本テレビとのインタビューに応じた。全文は次の通り。 ――インタビューに答えていただき、感謝します。私たちも、秋田犬の「ゆめ」の元気な姿を見ることができ、とても嬉しいです。(ゆめがほえる)ただ、最初からこういう形で威嚇をされるようなことがあって、ちょっとびっくりしている。 プーチン こわがるのも無理はありません。とても厳しい犬ですから。人が大勢いて、たくさんのカメラがあって、照明がまぶしくて、カメラのシャッターがカシャカシャと音を立てている。彼女は私の警護を担当しているみたいだ。 ――いつも大統領をああいう形で守っているのか。 プーチン ええ。そうだ。 ――今回は大統領として4回目の日本訪問を間近に控えている。毎日忙しいと思う。 プーチン 私が覚えている限り、約11年前に大統領として日本を訪問
【モスクワ=花田吉雄】ロシアのプーチン大統領は15日からの日本訪問を前に、モスクワのクレムリン(大統領府)で読売新聞、日本テレビとのインタビューに応じ、平和条約の締結問題を中心に対日政策の基本方針を明らかにした。 プーチン氏は平和条約の締結には「条件整備が必要」と指摘し、山口県長門市での安倍首相との会談で、北方領土での「共同経済活動」や人的往来の拡大について合意を目指す考えを示した。プーチン氏はウクライナ情勢を巡り日本が行うロシアへの経済制裁を批判した。 プーチン氏は大統領府の「代表の間」で約1時間20分にわたり、読売新聞東京本社の溝口烈・編集局長と日本テレビ放送網の粕谷賢之・解説委員長の質問に答えた。 日本との関係について、プーチン氏は「完全な正常化を求めている。平和条約がない状態が続くことは時代錯誤だ」と語った。そして平和条約の締結交渉で「日ソ共同宣言」(1956年)を基礎とする立場を
インタビューで日本の対露制裁などについて話すプーチン露大統領(7日、モスクワ・クレムリンで)=吉岡毅撮影 【モスクワ=花田吉雄】ロシアのプーチン大統領は読売新聞と日本テレビとのインタビューで、ウクライナ問題をめぐり日本が先進7か国(G7)の一員として対露制裁に加わっていることに不満を示した。 これは平和条約交渉を進めるうえで制裁が妨げになっていると指摘し、日本に制裁の「棚上げ」を求めたものだ。プーチン氏は15日からの訪日を通じ、日本から経済協力を引き出し対露制裁網の分断を狙うものとみられる。 プーチン氏はインタビューで「日本はロシアに対して制裁を続けた。なぜウクライナやシリアの問題を日本は露日関係に結びつけるのか」と疑問を示した。 これまでプーチン氏が日本の対露制裁を声高に批判することはなかった。9月に主要20か国・地域(G20)の首脳会議が開かれた中国・杭州での記者会見では「ウクライナ問
日ロ両政府が15、16日の首脳会談で、双方のビザ発給要件の緩和を発表する。期間内なら何度でも訪問できる「数次ビザ」の有効期間を現行の最長3年から5年に延長する方向だ。日本政府はウクライナ問題への制裁として、ロシアとの「ビザ緩和の協議」を停止してきたが、「協議」によらない独自判断による緩和という形で、事実上、制裁を緩和する。 日ロ間のビザ緩和は、ロシア側が日本との経済的な結びつきを強めるために求めていた。だが、2014年のロシアによるウクライナ南部のクリミア併合を受け、日本は欧米各国と足並みをそろえ、対ロ制裁を実施。日本の独自制裁としてビザ緩和の協議停止を盛り込んでいた。 安倍晋三首相は北方領土問題を含む平和条約締結交渉を動かすテコにするため、5月の首脳会談で提案した8項目の経済協力の一環としてビザ緩和に踏み切ることにした。(小林豪)
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