羽田発の日本航空(JAL)機は那覇、高雄(台湾)上空を通過して南シナ海を横切り、ホーチミン市(ベトナム)のタン・ソン・ニャット国際空港に直行する。 深夜に羽田を発った乗機は、かすかに明るくなる朝方に南シナ海上空を飛ぶ。ここでは中国が複数の岩礁を埋め立て、軍事拠点化しようとしており、ベトナムやフィリッピンなどと争っている。 「場合によっては・・・」などとあらぬ思いが浮かび、眠気まなこながらも救命胴衣に目をやったりしているうちに着陸態勢に移った。 アンコール遺跡群のあるシェムリアップへは、アンコール航空のフライトアテンダントに合掌の挨拶で迎えられて飛んだ。高度を下げるにしたがって、トンレサップ湖周辺の河川が目に入り、水上生活者と思われる家や船らしきものが見えてきた。 アンコール・ワットは独立した1つの寺院であり、アンコール・トムは王宮や多数の寺院を包含した寺域で、カンボジアの国家的重要行事が行