政治と経済 『朝日新聞ソウル支局長は「御用保守論客」 北朝鮮メディア、名指しで非難 金正恩氏「涙」報道にピリピリ?』へのコメント
特派員リポート 牧野愛博(ソウル支局長) 7月のある夜。韓国焼酎を飲みながら、「この前は大変だった」と取材先がため息をついた。彼は脱北者。北朝鮮の警察・軍事機関にいた人物で、私が定期的に会食している取材先の一人だ。 前回会った5月末に気になることがあった。食堂に入る時、尾行されている気配を感じたからだ。若い男が後をついてくる。念のため、店にすぐ入らずに様子をうかがった。若い男は携帯電話をいじりながら、十数メートル離れた物陰に立っている。思い切って近づくと、きびすを返して立ち去った。会食して別れる際、取材先の脱北者に「もしかすると、尾行されるかもしれない。気をつけて」と言って送り出した。 果たして7月に再会したとき、この取材先はその後のいきさつを語ってくれた。駅で地下鉄を待っていると、自分に注がれる複数の視線を感じた。男性が2人、女性が1人。取材先は私の「警告」が頭の隅にあり、列車の中でもさ
北朝鮮の国営メディアは、朝日新聞のソウル支局長を「御用保守論客」などと名指しで非難する論評を相次いで発表した。 朝日新聞は5月、経済改革の停滞へのもどかしさから、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が涙を流す映像が上映されたなどと報道していた。党機関紙の労働新聞は9日付の論評で、「日本の『朝日新聞』が、われわれの最高尊厳を冒涜(ぼうとく)し共和国の現実を悪辣(あくらつ)にこき下ろす謀略記事を掲載した」と主張。「許し難い犯罪行為の張本人」として、牧野愛博ソウル支局長の名前を挙げた。 論評はさらに、「牧野と『朝日新聞』の妄動は、『日本疎外』で不安になりいらだつ安倍一味のそそのかしの下で行われる敵対行為の一環」として、記事が安倍晋三政権の意向を受けているとの見解を披露。8日付の朝鮮中央通信の論評では「半島の民族的和解と情勢緩和の雰囲気を阻もうとする断末魔のあがき」とも表現した。 朝日新聞社
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