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択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島の4島からなる北方領土は、第2次世界大戦で日本が敗れた1945年にソ連に占領された。引き継いだロシアとの領土交渉は解決に至らず、日ロ両国の間に平和条約はない。打開をめざす安倍晋三首相とプーチン大統領との22日の首脳会談を前に、問題点を整理する。 歴史経緯:旧ソ連、1945年9月5日までかけて占領 江戸時代末期から明治期の日露戦争に至るまでの50年間、両国が結んだ日露通好条約、樺太千島交換条約、ポーツマス条約の三つの国際条約によって、千島・樺太の領有権は揺れ動いた。しかし、北方四島は一貫して日本領だった。 転機は第2次世界大戦だ。日本は米英両国との開戦前にドイツ、イタリアと三国同盟を結び、ソ連との間では中立条約を結んだ。日本の敗色が濃厚となっていた1945年2月、ソ連のスターリンは米英両首脳とのヤルタ会談で、対日
北方領土をめぐる日ロ交渉で、返還後の島に米軍基地を置かない考えを日本がロシアに伝えていたことが明らかになった。安倍晋三首相はロシアが長年抱く米軍基地への懸念を取り除くことで局面を打開し、歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の2島先行返還を軸に交渉加速を狙うが、2島の主権や国後(くなしり)、択捉(えとろふ)の帰属など難題が待ち受けている。 米国が日本のどこにでも基地を置くことを求められる日米安保条約は長く、北方領土交渉の「トゲ」だった。今年9月、プーチン大統領が「あらゆる前提条件をつけず、年末までに平和条約を締結しよう」と提案したことをきっかけに、「2島先行」軸の交渉へとかじを切った安倍首相。米軍基地に対するロシアの懸念を払拭(ふっしょく)することが欠かせないと考えてきた。 今回の日ロ首脳会談で「基礎」にするとした1956年の日ソ共同宣言は、平和条約締結後に歯舞、色丹の2島を引き渡すと明
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