拓殖大学大学院博士前期課程修了。岡崎研究所研究員などを経て2019年より現職。日本国際問題研究所研究委員等を兼任。専門は日米の防衛政策、核・ミサイル防衛を含む拡大抑止政策。 前回(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14297)は、 INF条約が締結された背景や、ロシアによる条約違反、米国における対抗措置の検討と条約離脱派・維持派それぞれの主張を説明した。そこで述べたとおり、INF条約自体は米露二国間で締結されている条約であり、ともすれば核大国同士が議論すべき第三者的問題として扱われがちである。また条約が締結された歴史的経緯に関連して、ロシア(ソ連)と地続きになっている欧州の軍事情勢と異なり、地理的に離れている日本は蚊帳の外に置かれてしまいかねない側面もある。 INF条約交渉時、日本が果たした重要な役割 しかし、INF条約はその交渉時に日本が重要な役割を果