小泉純一郎氏が2005年の総選挙で大勝利を収めて自民党内の反対派を黙らせた時、今後は抜本的な構造改革に次々に取り組んでいくのだろうと多くの人が予想した。 ところが、そうした動きはあまり見られず、その1年後に小泉氏は静かに首相の座を降りた。 それから10年近い月日が流れた。14日の選挙では与党が衆議院の大半の議席を獲得し、かつて小泉氏の支援を受けた安倍晋三氏が政権をさらに4年間担う可能性を手にした。 2018年末まで首相の座にとどまることになれば、小泉氏の首相在任期間(5年半)を上回ることになる。 人によってとらえ方が違うアベノミクス また安倍氏は、アベノミクスと称される自身の経済政策――財政・金融両面での景気刺激策に供給サイドの改革を加えたもの――をさらに推進していくと見られる。安倍氏が首相をいつ退任することになっても、その際にはアベノミクスが成功したか否かが必ず問われることになるだろう。