国会で安全保障法制の論議が盛んだ。昨年7月に行った集団的自衛権の行使容認についての閣議決定を踏まえた議論で、野党やメディアは「戦争に巻き込まれる」「自衛隊員に犠牲者が出るリスクが高まる」といった批判を展開、国会に招致された憲法学者も「憲法違反だ」と反対している。世論調査でも反対論が根強い。 安倍政権の説明は不明確、不十分 長年、集団的自衛権の問題を追究してきた佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授は「今、なぜ集団的自衛権の行使容認が必要なのかについて、安倍政権の説明は不明確、不十分。とりわけ自衛隊員のリスクについてあいまいで、責任感が乏しい」と批判する。 その一方で、「日本は国内だけ防衛すれば後は何もしないという『鎖国的安保主義』に閉じこもってきた。これまではそれで通用していたが、限界が来ている」と指摘する。 背景には中国の軍事的脅威、北朝鮮の核武装、国際的テロ、サイバー攻撃の横行がある。もはや個別