バルテュス展のチラシ、一九九四年に東京ステーションギャラリーで開催されたときのもの。小生、これは逃しているが、一九八四年の日本初回顧展を京都市美術館で見たときの印象は今でも鮮明だ。それ以前、一九七六年にルーブル美術館でバルチュスの実物を初めて見た。たしかピカソからの寄贈作品だった、少年と少女がテーブルの廻りでポーズしている大きな作品「子供たち」(一九三七)が展示されいて、そのときルーブルで見た作品のなかでももっともショッキングな絵画のひとつだった(おそらく事前に知っていて見に行ったのかとも思うが、記憶が曖昧、ルーブル宮でもいちばん端の方のガランとして誰も見学者のいない部屋にあった、現在はどうなっているのか知らないが)。 とにかく戦前の諸作はノイエザハリッヒカイトの影響を受けて(ルシアン・フロイドと非常に近いように思う)、さらにやや演出過剰なところも目につくが、スレスレのエロティシスムはバル