大手仕手集団元代表による相場操縦事件で、逮捕された元代表の加藤暠(あきら)容疑者(74)が株価をつり上げたい銘柄を決めて家族に指示し、売買させていたことが関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、家族内での役割分担やそれぞれの認識について解明を進めるとみられる。 暠容疑者は、妻の幸子容疑者(74)、長男で大阪大大学院助教(金融工学)の恭(たかし)容疑者(36)と共謀し、2012年2~3月、当時大証1部上場だった化学メーカー「新日本理化」の株価を不正につり上げようとした疑いがあるとして、金融商品取引法違反(相場操縦)の容疑で逮捕された。 関係者によると、株価や市場での評価などをもとに、暠容疑者が同社の株を売買することを決定。実際の取引は、妻や長男らの名義の口座を使い、7社の証券会社を通じて行われていたという。