ドイツの捜査当局は11日までに、ガウク前大統領やマース法相の暗殺を企てたとして、連邦軍兵士ら男3人を逮捕した。ドイツメディアによると、3人は極右思想の持ち主で、難民受け入れに寛容な政治家を暗殺する狙いだったとみられ、ドイツ国内に衝撃が広がっている。 逮捕されたのは連邦軍兵士2人と大学生1人。兵士のうち1人はシリアからの難民を装って難民申請をしており、暗殺実行で反難民感情を高める狙いだったとみられる。また、この兵士は以前に人種差別をうかがわせる内容の論文を執筆していたことも判明し、連邦軍は「危険信号を見落とした」と非難されている。 今回の逮捕を受けて、ドイツ政府は連邦軍兵士を対象に、極右思想の広がりについて調査に乗り出した。メルケル首相は「こうしたことが繰り返されないように、十分な調査が行われると信じている」と話した。(ドイツ西部エッセン=高野弦)