マリーヌ・ルペン氏が率いるフランスの極右政党「国民戦線」で、内部対立が顕著になってきた。5~6月にかけてあった大統領選と国民議会選での惨敗をきっかけに始まった党改革の中で、幹部らの路線の違いが鮮明になってきたからだ。 例えば、国民戦線が以前から主張している「EUの共通通貨ユーロから脱却し、国民通貨フランを復活させる」という議論。7月頭に党内の2人の経済学者が、有権者にとって「あまりにも不安をかきたてる」この政策を放棄するよう示唆したところ、約2週間後に副党首のフロリアン・フィリッポ氏が、「脱ユーロ・独立路線」を改めて貫き通すべきだとする文書を公開。「脱ユーロ政策」の放棄に歩み寄りを示すルペン党首が、フィリッポ副党首の側近であるソフィー・モンテル氏を幹部の地位から追いやるという事態に発展した。