■なぜ「黄色いベスト」か あのベストは、フランスの車の装備品です。修理やタイヤ取り換えの作業時に身につける黄色い安全ベストの装備が義務づけられています。 1台に1着必ず用意されているベストをシンボルにデモが始まったのは、11月17日でした。以後、土曜日ごとに黄色いベストの人々がパリやフランスの主要都市で街頭に出てデモや示威活動を始め、12月8日はその4回目でした。規模は次第に膨らみ、この日はフランス全土で13万6千人、パリでは1万人が参加しました。 そこには、現状に不満を持つことでは共通しているものの、様々な出身の多様な主張の人が集まっているように見えます。その本流はどこからわき出たのでしょうか。 ■小さな村の憂鬱 その大きなヒントとなるのが、フランス地方自治体の長でつくる首長会の要請でパリ政治学院政治研究所(CEVIPOF)が実施した小規模自治体の実態調査です。ちょうど運動が盛り上がる1