(英エコノミスト誌 2016年1月16日号) 新たに欧州にやってきた人々を平和裏に吸収するために、欧州は寛容の精神や男女の平等といった価値観を尊重するよう、移民に強く求める必要がある。 4カ月前、3歳のアイラン・クルディ君はギリシャに向かう途中、兄や母親と共に溺死し、その遺体がトルコの海岸に打ち上げられた。アイラン君の写真はすぐに、シリアの内戦を逃れてきた多くの難民の姿を象徴するイメージとなった。この写真も後押しとなり、死の危険を冒しつつ欧州を目指して中東からやってくる人々には亡命申請を認めるべきだということで、一時は世論が一致した。 ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ドイツ国境にたどり着いたすべてのシリア人を対象に、難民申請を受け付けると発表した。 欧州の大部分がこの難民受け入れプロジェクトに参加するかに見えた。 しかし、欧州がこの計画に加わることはなかった。難民受け入れの責務はドイツと
フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首(2015年6月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/FREDERICK FLORIN〔AFPBB News〕 欧米において近年、一般市民の政治不信が高まっている。それに伴い、これまでの既存政党に対する支持率は低下傾向となり、比較的新しい極右政党、極左政党等への支持率が上昇している。 特に、欧州においては極右政党への支持率が昨今急激に上昇しており、欧州の複数の国で政権与党となっている。極右政党の躍進は、これらの国の政治・経済・社会の全ての側面に多大な影響を与えることが懸念されている。 欧米で政治不信が拡大 2015年12月7日、米国大統領選挙に共和党から出馬することを表明している実業家のドナルド・トランプ氏が「イスラム教徒の米国入国を禁止するべき」と発言し、米国内で物議を醸し出した。これまでも同氏は、メキシコからの不法移民について、
その中で、3人は自発的に戦闘に参加していた。このたびの帰国の理由は詳しい聴取を待たなければ分からないが、ドイツでのテロを画策しているわけではなく、おそらく戦闘の修羅場に疲れ、夢破れ、戻ってきた可能性が高いようだと報道されている。 その5日前の9月1日に、米軍によってアル・シャバブの指導者が殺されたことと3人の帰国は無関係ではないとも言われる。多くのテロを実行し、米国のウォンテッドのリストの最上位にいた指導者が米軍の空爆でやられ、アル・シャバブは現在、混乱しており、3人はその混乱に乗じて組織を離れたのではないかという。 名前から見ると、1人はアブドゥルサラム、もう1人はアブドゥラーなので、この2人はアラブ系移民であることは確実だ(苗字は伏せられている)。もう1人はStevenだが、これも移民である可能性は高い。ドイツ人の「シュテファン」なら、スペルはvではなく、fかphを使うことの方が多い。
様々なグループが混ざり合うことは、寛容さを生み出す。ピュー・リサーチ・センターによれば、多くの米国人イスラム教徒は、自分たちの信仰は様々な解釈ができると考えている。彼らはいわばイスラム世界の米国聖公会なのだ。 米国のイスラム教徒は、欧州のイスラム教徒より暮らし向きがいい。彼らが10万ドル以上の家計所得を報告する可能性は、他の米国人とほとんど同じだ。現在は倒産した北イングランドの繊維工場で働くためにやって来たパキスタン人や西ドイツで外国人労働者になったトルコ人については、同じことが言えない。 移住の背景に違いも 多くの米国人イスラム教徒は、高等教育を修めるために1970年代に米国にやって来て、結局そのままとどまった。米国のイスラム教徒の行動を導くためにファトゥワ(つまり宗教的意見)を出す北米イスラム法学評議会のムザンミル・シディキ会長は典型的な例だ。同氏はインドで生まれ、比較宗教学でハーバー
欧州と比べると、米国のイスラム教徒は社会に溶け込んでいる(写真は米バージニア州フォールズ・チャーチのモスクでの礼拝の様子)〔AFPBB News〕 米国務省の推定では、最大100人の米国人ジハード主義者(イスラム聖戦士)がイラクとシリアで戦っているという。2人目の米国人ジャーナリストが「イスラム国(IS)」によって首をはねられたことを示していると見られるビデオが出回っている。 読者は、米国最大のイスラム組織が年次会合を開くには、今は難しい時期だと思うかもしれない。 だが、レーバーデー(労働者の日、今年は9月1日)の週末にデトロイトで開かれた北米イスラム協会(ISNA)の会合は、欧州ではなかなかくつろいだ気分になれない宗教的少数派を米国がいかにうまく同化させているかを思い出させた。 会議場は、異なる伝統との一体感を表す衣装をまとった異なる人種のイスラム教徒でいっぱいだった。イスラム教ボーイス
フランス・ルーベ(Roubaix)で、顔面を隠すベールの一種「ニカブ」を着用して街を歩く女性(2014年1月9日撮影、資料写真)。(c)AFP/PHILIPPE HUGUEN 【7月2日 AFP】欧州人権裁判所(European Court of Human Rights、ECHR)は1日、フランスで成立し議論を巻き起こしていたブルカ禁止法による顔全体を覆い隠すベールの着用禁止は、欧州人権条約(European Convention on Human Rights)が保護する思想・良心・信教の自由を侵害しないとの判断を下した。 原告のフランス人女性(24)は、自身のベール着用は自由意志によるものであり、警備上の理由で必要とされればベールを脱ぐこともいとわないとした上で、公共の場でのベール禁止は尊厳をおとしめるものだと訴えていた。 だが欧州人権裁の判事らは全員一致で、原告女性が差別の対象とは
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