安保法制の審議で、野党はことさらに「自衛官が負うリスク」について政府を追及している。海外派遣された自衛官の自殺者の人数まで公表された。 これまで自衛隊の地位や処遇をないがしろにし続けて来た、自衛隊嫌いの護憲派の面々が「自衛官が死んだらどうするんだ!」「自衛官の気持ちを考えろ!」などと言い出した光景には呆れるほかない。 少し前には社民党が「あの日から、パパは帰ってこなかった」という醜悪なポスターを制作した。 「自衛官に死者が出れば、鈍感な国民たちも『戦争法案』に反対の声を挙げるだろう」という思いがミエミエで、もはや呪いに近いものを感じてしまう。自衛官の命を利用しようという動機は許し難い。 私は身内に自衛官がいるため、戦後日本における自衛隊・自衛官の苦悩は、かなり身近なところで見聞きしてきたつもりだ。実際に、小学校の頃、担任教師から「自衛隊は嫌われている職業だ」と言われたこともある。あの衝撃は