財務相スリ・ムルヤニは、財政学を専門とする経済学者である。インドネシアでは、1966年のスハルト強権体制発足以来、経済学者から上級官僚や大臣に任命されて中央官庁に入り、経済政策の立案と運営を任される「経済テクノクラート」の伝統が連綿と続いている。スリは、その経済テクノクラートの本流に位置づけられる人物である。 「アジアで最も優秀な財務相」 スリは、2004年のスシロ・バンバン・ユドヨノ第1期政権で初めて閣僚に就任したが、彼女の名声を一挙に高めたのが、2005年から2010年まで担当した財務相としての手腕であった。マクロ経済の安定と成長の加速のために彼女が発揮した行政手腕は国際的にも高く評価され、「アジアで最も優秀な財務相」、「世界で最も影響力のある女性」などに何度も選ばれている。しかし、その後政権内の政争に巻き込まれる形で大臣を辞任し、世界銀行の専務理事に転出していた。
安倍政権の経済運営の要だった甘利氏の辞任で… 安倍政権の経済運営の要だった甘利明前経済再生担当相の辞任で、アベノミクスに不透明感が漂い始めた。経済成長重視の甘利氏は、財政規律を重んじる財務省を押しのけて大胆な法人減税を実現するなど、成長戦略のエンジン役となってきたが、後任の石原伸晃氏は「甘利氏ほど経済政策にこだわりはない」(政府関係者)とされる。首相肝煎りの成長路線に変わりはないとみられるが、政権内の力関係は変質しそうだ。 「この3年余り、日本経済全体の指揮を執るという大役を任された」。甘利氏は29日の退任のあいさつで内閣府職員を前に振り返った。
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