2018東地中海地域シリア 公開日:2018/01/22 イドリブ県東部、アレッポ県南部で政府軍が戦果を上げる一方、トルコ軍がクルド勢力が占拠しているアフリーンに侵攻した。トルコ軍の動きは、シリア紛争の諸当事者が、シリア人民を疎外し、自国の個別の利害に基づいて振舞っている状況を象徴している。情勢の概況は以下の通り。 図:2018年1月22日時点のシリアの軍事情勢(筆者作成) オレンジ:クルド勢力 青:「反体制派」(実質的には「シャーム解放機構」と改称した「ヌスラ戦線」や、「シャーム自由人運動」などのイスラーム過激派) 黒:「イスラーム国」 緑:シリア政府 赤:トルコ軍(「反体制派」からなる「ユーフラテスの盾」なる連合が前面に立っているが、実質的にはトルコ軍) 赤点線内:「反体制派」(主にアメリカ軍からなる各国の特殊部隊の保護を受けており、実質的にはアメリカ軍) 1.2018年1月18日ごろ
かねてより史上最大級の武器取引として注目を浴びている、オーストラリア海軍次期潜水艦を選定する作業の結論が、数週間以内に出される見通しである。 選定の対象となっている潜水艦は、日本の「そうりゅう」(三菱重工・川崎重工)、ドイツの「タイプ216」(TKMS:ティッセンクルップ・マリン・システムズ)、それにフランスの「ショートフィン・バラクーダ」(DCNS:造船役務局)である。 「そうりゅう」採用派が唱える戦略的理由とは 日本の「そうりゅう」の採用を支持するオーストラリアの人々の多くは中国脅威論に立脚している。つまり、中国が南シナ海とりわけ南沙諸島に軍事拠点を設置することにより、オーストラリアと中国の間の軍事的緊張が高まった場合にはオーストラリアが利用しているシーレーンが脅威を受けるだけでなく、ダーウィン周辺地域は中国軍爆撃機の攻撃圏内にすっぽりと収まってしまうといった想定がベースにある。 この
【シドニー=吉村英輝】オーストラリア公共放送(ABC)は20日、主要閣僚らで構成する国家安全保障会議(NSC)が、次期潜水艦調達計画の共同開発相手をドイツとフランスに絞り込み、日本を除外する決定を下したもようだと伝えた。同放送は、決定内容は来週にも発表されるとしている。 同放送は、19日夜に開催されたNSCのこの決定が、「最終判断かは不明」ともしている。日本が脱落した根拠として、豪州政府担当者らが、入札で日本側に「熱意が欠けていた」ことを懸念したとした。 調達をめぐっては、米国政府の元高官らが、同じ同盟国である日本からの調達を推していた。だが、同放送は、オバマ米大統領が、調達は「主権」に従いなされるものだと、ターンブル豪首相に確約したことにも言及した。 日本、ドイツ、フランスが受注を目指す豪次期潜水艦12隻は、建造費だけで500億豪ドルかかる豪州史上最大の防衛装備品調達。豪国防省は各国提案
現在、オーストラリア海軍の次期潜水艦計画は、日本の官民連合、ドイツ、フランス企業からの最終提案を受け、共同開発・生産のパートナーをいずれかに決定する段階にある。ターンブル豪首相は先週、就任後初の訪米を行ったが、豪メディアによると、その際行われたいくつかの会談でも次期潜水艦が話題に上ったそうだ。米政府の公式の立場は、豪政府の決定を尊重するというもので、オバマ大統領を始めとする政府要人はいずれかに肩入れする発言を控えている。だが、米政府高官や米軍幹部が日本の潜水艦の採用を望んでいることは、さまざまな形で表現されており、豪政府にとっても思案材料となっているようだ。 ◆米政府が日本の潜水艦の採用を望む4つの理由とは オーストラリアの次期潜水艦計画をめぐっては、日本、オーストラリア、アメリカそれぞれに思惑がある。日本にとっては、積極的平和主義を推進する上で、オーストラリアとの安全保障・防衛協力を深め
【シンガポール=吉村英輝】日本、ドイツ、フランスの3カ国が受注を競うオーストラリアの次期潜水艦導入計画で、米国の思惑などからドイツの可能性が後退し、受注は「日仏に収斂(しゅうれん)された」との観測が浮上している。豪メディアは、ドイツとの共同開発となった場合、中国の産業スパイなどから機密情報を守りきれる技術があるのか-という疑念から米国が技術提供を拒否する姿勢を示しているとも指摘。オーストラリアと同じく米国の同盟国である日本の「そうりゅう型」が有望視されているとしている。 豪州は、2020年代半ば以降、老朽化が進むコリンズ級潜水艦と入れ替えるため、新型潜水艦を8~12隻建造する。建造やメンテナンスをなどを合わせ、総額500億豪ドル(約4・4兆円)相当の大型契約となる。 日独仏は昨年、潜航能力やコスト、経済効果についての計画書を提出。豪政府は、今年半ばにも共同開発相手を決定する方針だ。 広大な
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