リック・スパイズさんは2005年に大学を卒業した後、自分は両親と同じような道をたどって大人の米国人になるのだろうと考えていた。首都ワシントンにほど近い裕福な人が住む街、バージニア州アレクサンドリアの郊外にマンションを買うわけだ。当時はサブプライムローンの全盛期。給料は年3万ドルだったが、その10倍の住宅ローンを簡単に組むことができた。住宅価格もうなぎ登りだった。 あれから10年。スパイズさんは3人の子供に恵まれ、勤務先もシンクタンクから住宅ローン販売会社に代わった。 しかし、住んでいるのは自分名義の家ではなく、コロラド州にある両親の自宅だ。 いま住宅を買うのは非常にリスクが大きいように感じられるという。「宝くじの『パワーボール』を当てて、現金で買うなら別だけどね」。 そう考えるのはスパイズさんだけではない。米国の18~34歳――同国では最も人口が多い年齢層――の持ち家比率は現在、1982年