【12月7日 AFP】これほど純粋な形で表れた生存本能というものを、私はいまだかつて目にしたことがなかった。他に選択肢もなく、過酷な旅に出る──ただもう1日生き延びるために。混乱の中でできる限りの注意を払いながら、いくつもの遺体を踏み付けながら歩を進める──自分の命を救うために。 私は欧州難民危機を1年以上取材してきた。だがリビア沖で見た光景はただただ信じ難く、常軌を逸していた。 10月の2週間、私は非政府組織(NGO)「プロアクティバ・オープン・アームズ(Proactiva Open Arms)」の全長30メートルのヨット「アストラル(Astral)号」に同乗させてもらった。プロアクティバ・オープン・アームズは、地中海(Mediterranean Sea)で活動している数多くの国際NGOと同様に、定員超過した船から人々が海に落ちて溺れるのを防ぐという、ただその使命を果たすために尽力してい