「OPECが6月2日に開く総会で(減産に向けた)協調行動に関して決定する公算は小さい」 5月21日、ロシアのノヴァク・エネルギー相はロシア国営テレビのインタビューでこう述べた。 OPEC総会を前にイラン石油省の幹部が依然として増産に前向きな姿勢を示すなど、供給拡大の動きに歯止めがかからない。そのような状況にあっても原油価格が1バレル=50ドル前後で高止まりしているのは、世界各地で突然の供給途絶をもたらす事象が相次いでいるからである。 まずカナダでは5月初めに発生した大規模な山火事によって原油生産量が日量約100万バレル減少したままである(23日からオイルサンド企業は操業を再開した)。また、ナイジェリアでは武装勢力が5月に入って相次いで主要パイプラインを爆破したため、原油生産量は日量約80万バレル減少した。 産油国の供給途絶リスクはさらに高まっている。 その第一候補はベネズエラである。ベネズ
イエメン・サーワ近郊で配置につくハディ暫定大統領派の武装勢力「民衆抵抗委員会」の戦闘員。サウジラビアは「民衆抵抗委員会」を支持している(2015年10月6日撮影、資料写真)。(c)AFP/ABDULLAH AL-QADRY〔AFPBB News〕 12月7日のニューヨーク商業取引所の原油先物市場は、OPECが4日の総会で減産を見送ったことから供給過剰懸念が一段と高まり、WTI先物価格は5.8%減の1バレル=37.65ドルと約6年10カ月ぶりの安値となった(その後同36ドル台に下落したが、9日時点で同37ドル台で推移している)。欧州市場でも売り込まれ、北海ブレント価格も一時5.6%減の同40.65ドルをつけた(その後同40ドル割れしたものの、9日時点で同40ドル台で推移している)。 ウィーン本部で開催されたOPEC総会は予想通り大荒れになった。議論が紛糾したため当初4時間の予定が7時間近くに
イエメンの首都サヌアで、サウジアラビア主導の連合軍に空爆された食料倉庫のがれきの中に立つ男性(2015年10月26日撮影、資料写真)。(c)AFP/MOHAMMED HUWAIS〔AFPBB News〕 国際エネルギー機関(IEA)は11月10日発表した「2015年版世界エネルギー見通し」の中で、「現在1バレル=40ドル台の原油価格の回復ペースは緩やかで、80ドル程度に達するのは2020年になる」と予測した。 2020年頃には米国のシェールオイル生産が日量約500万バレルをピークに達するなど、非OPEC諸国の原油生産が同約5500万バレルで頭打ちとなり、石油の需給が再びバランスするというのがその理由だ。つまり、原油の供給過剰は2020年まで続くという展望である。 IEAは低油価が続いている原因の1つとして、価格維持より市場シェアの確保を優先するOPECの戦略を挙げている。確かに今年後半に入
原油価格が再び上昇するのを待っている大量の原油が地下に存在することは、価格上昇の兆候が見られた時点で原油が直ちに増産されることを意味する。そのため、フラックログは今後の原油価格回復を鈍らせる「足枷せ」になる可能性が高い。 サウジは今後も増産か OPEC各国でも、原油在庫が過去最高水準にまで積み上がっているようである。 サウジアラビアをはじめOPEC諸国は増産を続けているため、4月24日時点のOPECの原油生産量は、需要に対して日量約200万バレルの供給過剰となっている。これは過去10年間で最大の水準である。こうした状況を踏まえ、市場関係者の間には、「世界の原油需給のファンダメンタルズに大きな変化はなく、原油相場は短期間に少々急速に上昇しすぎた」との不安が頭をもたげてきている。 「世界最大の産油国サウジアラビアは顧客を満足させ、均衡の取れた市場を維持するためのすべての原油需要に対応する」──
英国を訪問した中国の李克強首相は17日、キャメロン英首相と会談、関係強化と経済協力で一致した。キャメロン氏は会談後の共同記者会見で総額140億ポンド(約2兆4千億円)以上の契約をまとめたと表明。実利を重視し、中国が反発する人権問題に深入りしなかったとみられる。 李氏は同日、ウィンザー城でエリザベス女王とも面会した。女王が国家元首ではない李氏との面会に応じるのは異例。キャメロン氏も会談前、多数の衛兵を出迎えの儀式に立たせ、中国を特別扱いした。 李氏は会見で高い技術を誇る英国と巨大市場を持つ中国の経済協力の将来性を強調したが、記者から人権問題に関し厳しい質問を浴びた。 会談の行われた首相官邸付近では李首相訪英を歓迎する人々と並び、中国の人権侵害に対する抗議デモも行われた。(共同)
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く