【ソウル=桜井紀雄】韓国の朴槿恵大統領の友人で女性実業家、崔順実被告の国政介入事件を捜査する「特別検察官」(特検)は16日、崔被告側への出資をめぐる贈賄や横領などの疑いで、サムスングループの経営トップである李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長(48)の逮捕状を請求した。18日に裁判所が発付の可否を審理する。逮捕となれば、停滞する韓国経済への影響も避けられない。 崔被告側への出資前、朴氏が李氏と面会し、「口添え」をした疑いが持たれており、特検は、朴氏が崔被告と「利益の共有関係」にあり、「共謀関係について客観的物証を十分に確保した」と指摘。憲法裁判所で進む朴氏の弾劾審理にも影響しそうだ。 聯合ニュースによると、朴氏側は「認めることはできず、究明されてもいない」と反発した。特検は捜査のメドが立った段階で、朴氏を直接聴取する方針。 サムスングループをめぐっては2015年7月、傘下企業間の合併が
【ソウル米村耕一】韓国の海運最大手、韓進(ハンジン)海運が8月末に日本の会社更生法適用に相当する「法廷管理」を申請した。事業そのものは継続しているが、取引先などとの事前調整が不十分だったため、破綻後に世界各地で韓進の船舶が入港を拒否され、国際的に物流が混乱する事態に発展している。 入港できないのは入港料や荷降ろしにかかる費用を誰が負担するのか不透明なほか、債権者から船舶を差し押さえられる恐れがあるためだ。聯合ニュースによると、港に入れないまま漂流しているコンテナ船は10日現在で77隻、積み荷の総額は最大で140億ドル(約1兆4000億円)規模になったという。韓国メディアはサムスン電子のディスプレーや冷蔵庫などを乗せたコンテナ船2隻が米カリフォルニア州ロングビーチ港沖で立ち往生しているなどと報じた。サムスン電子側が荷降ろし費用を負担すると申し出ている状況だとい…
韓国でここ数年の産業界、金融界の懸案だった海運「ゾンビ企業」の整理作業が動き出した。韓進海運と現代商船だ。経営環境の急変に「悲劇の女性オーナー」2人は対応できなかった。 2016年4月25日。柳一鎬(ユ・イルホ=1955年生)経済副首相兼企画財政部長官、青瓦台(大統領府)経済首席秘書官、金融監督委員長、国策銀行である韓国産業銀行(KDB)会長などが集まった会議が開かれた。 「青瓦台西別館会議」 「青瓦台西別館会議」。メディアや官界、産業界などが、会議がひそかに開かれる場所から、こう呼ぶ不定期の会合だ。正式名称は経済懸案会議で、その時々の重要案件について集中的に議論する。 参加したことがある元閣僚によると、正式な議事録はないが、経済に対する重要課題がほとんど決まるという。民間企業の経営問題も議論の対象になる。 この日がそうだった。「ゾンビ企業対策」が話し合われた。ここ数年、韓国では多くの業界
韓国・ソウルの景福宮前で、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが主催した「幽霊デモ」に登場したホログラムのデモ隊(2016年2月24日撮影)〔AFPBB News〕 韓国で最も歴史が長い財閥が斗山(トゥサン)グループだ。2016年で創業120年となる。このグループの会長が、3月末に交代する。創業者の「ひ孫」に当たる人物が新会長になる。 韓国でも珍しい「家族順送り人事」が今なお続いているわけだが、その間には骨肉の争いもあった。今も経営には問題が多く、54歳の新会長の前途も多難が予想される。 2016年3月2日、斗山グループの会長で、大韓商工会議所の会長も務める朴容晩(パク・ヨンマン=1955年生)氏が、会長人事を発表した。持ち株会社機能も持つ「斗山」の会長として後継準備をしてきた「おい」にあたる朴廷原(パク・ジョンウォン=1962年生)氏が3月末にグループ会長に就任する。 朴廷原氏は
韓国の金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が2015年11月22日、死去した。87歳だった。韓国の民主化に大きな役割を果たした。大統領在勤中(1993年~98年)は韓国経済にとっても激動期だった。 金泳三氏の経歴や、韓国の民主化に果たした役割については、日本でも大きく報じられた。 ここでは、特に、「経済」とのかかわりについて振り返りたい。まずは個人的な体験から述べたい。 今から10年少し前。何度か、ソウルの金泳三氏の自宅を訪れたことがある。いずれも大統領退任から3~5年経過した頃だった。 いつも決まって午前10時に来るように指定され、お昼をご馳走になった。 前職大統領の自宅だが、普通の住宅街にある普通の一戸建てだった。お昼を一緒した食卓も5人も座れば一杯だった。 想像より質素な自宅、昼食 質素な生活も、民主化運動の旗手として多くの人をひきつけた理由の1つだった。 間近で話してみると、いばらない
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