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時をほぼ同じくして、サラエボからは、ガブリロ・プリンツィプ像除幕式のニュースも入ってきている。 ちょうど100年前となる1914年6月28日に、「オーストリア皇太子夫妻を暗殺したセルビア人青年」として、世界史の教科書に載る人物だ。 第1次世界大戦のきっかけを作ったこの人物を「民族自決に身を捧げた」とするセルビア人の意思の表れだが、ユーゴ紛争戦犯として裁きを受けたスロボダン・ミロシェビッチやラドヴァン・カラジッチ同様、「民族の英雄」と考えるセルビア人は少なからずいるようだ。 そんな「民族自決」がグローバルスタンダードとなるのは第1次世界大戦後、ウッドロウ・ウィルソン米国大統領が「14か条の平和原則」の中で提唱してからのこと。 とは言いながら、独立の約束を反故にされた中東では、イラクが英国の、シリアがフランスの委任統治領となったことは、先週のコラムで詳述した通りである。 戦いの火元となったバル
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