制裁解除に中国企業の期待も大きい。吉林省で長く朝中ビジネスの仲介をしてきた朝鮮族のAさんのもとには相談と依頼が殺到している。アジアプレスの電話取材に、Aさんは次のように答えた。 「制裁解除を今か今かと待つ中国企業が押し寄せている。貿易だけでなく、鉱山開発や建設投資の相談が多い。中国では工場稼働の環境基準が厳しくなったため、汚染物が出る鉱物の精錬工場を北朝鮮に移転したいという相談がいくつかあった。建設会社からは、北朝鮮にビルやアパートを建てて販売する事業のパートナーを紹介してほしいと頼まれている。 単発の貿易だけでなく、北朝鮮側との合弁事業を望む会社が多く、両国の担当者が往来して面談を続けている。だが、合弁は制裁が解けないとできないので、今のところはまだ相談だけだが、期待はとても大きい」 朝中国境貿易の最大の拠点、遼寧省の丹東市でも、制裁解除を当てにした動きが活発化している。アジアプレスの中