同様な改革を求める動きが中国本土で直ちに引き起こされることがないように香港で民主的な改革を進めようという場合、一国二制度という統治方式は――香港が裕福で洗練された都市であることも手伝って――まさにうってつけである。繁栄する民主的な香港は、中国国内のほかの地方や都市で同様な改革を少しずつ進める際のモデルになるかもしれない。 残念ながら、北京の中央政府はそれとは逆の道を進む方針を固めているように見える。中国国内での民主主義の盛り上がりにつながりかねないことは認められないし、共産党の表明した希望があからさまに軽視される状況も容認できない、というわけだ。 中国政府はそう判断することで、香港の抗議行動の参加者と対決する道を選んでいる。デモ参加者が解散しなければ、中国政府が暴力的な介入を行うリスクが明らかに高まる。 中国政府の変節 中国がこの道に進む必然性はなかったし、今日でもない。1997年の返還後