【ニューデリー=森浩】スリランカ南部ハンバントタで中国の支援で建設された国際空港が経営難に陥り、政府が苦慮している。そもそも需要がほとんどない地域に建設されており、1日の平均乗客は10人以下で定期便もゼロだ。中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が生み出した負の遺産ともいえ、スリランカ政府はインドに支援を求める方針を決めた。 経営難となっているのは、ハンバントタにあるマッタラ・ラジャパクサ国際空港。建設を推進した親中派ラジャパクサ前大統領の名を冠し、2013年に完成した。建設費は2億1千万ドル(約234億円)。9割が中国からの融資で賄われたとされ、工事も中国企業が請け負っている。 だが、国際空港を名乗ってはいるものの、付近には漁村と小規模のビーチリゾートがあるだけで、当初から建設はラジャパクサ氏の地元への利益誘導とささやかれた。今年5月には唯一の定期便だったアラブ首長国連邦(UAE
[シドニー 19日 ロイター] - 19日のオーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙は、日米豪印の4カ国が中国の「一帯一路」構想に対する代替策として共同インフラ計画を検討していると報じた。中国の影響力拡大に対抗する狙いがあるとみられる。 同紙が米政府高官の話として伝えたところによると、計画はまだ初期段階にあり、ターンブル豪首相による今週の訪米時には発表されない見通し。ただ、ターンブル首相とトランプ大統領の会談の議題には含まれているという。 高官はさらに、この計画は一帯一路への「対抗策」ではなく「代替策」と呼ぶのが望ましいと指摘した。「中国がインフラを建設すべきではないとは誰も言っていない」とし、「中国は港を建設するかもしれないが、単独では経済的に存立できない。われわれが港につながる道路や鉄道を建設すれば、経済的に存立が可能になる」と述べた。 ターンブル首相の関係者やビショップ豪外相、チ
【ニューデリー=森浩】スリランカ政府は、中国の援助で建設した南部ハンバントタ港を中国国有企業へ引き渡し、現地紙によると今月1日、港湾当局の建物に中国国旗が掲げられているのが確認された。債務の返済に窮したスリランカが借金のカタに海のインフラを奪われた形だ。南アジアで中国と主導権を争うインドは、対抗するように近隣の空港の権益を買い入れる計画を進める。かつての小さな漁村は国同士の思惑がぶつかり合う舞台となっている。 スリランカ国営企業と中国国有企業は昨年7月、スリランカ側が中国側に港の管理会社の株式の70%を99年間譲渡することで合意した。11億2千万ドル(約1240億円)の取引の合意文書に調印し港は先月、中国側に渡っていた。 そもそも、港は親中派のラジャパクサ前政権時代に着工されたが、約13億ドルとされる建設費の大半は中国からの融資だ。しかし、最高6・3%にも上る高金利は財政が苦しいスリランカ
ワシントン(CNN) 米国務省のティラーソン長官は18日に行った講演で、中国が世界秩序を乱し、近隣国の主権を侵害し、他国に対して無責任で搾取的な経済政策を推進しているとして強く非難した。 この日の講演は米国とインドの関係がテーマだった。ティラーソン長官は中国について、「インドとともに台頭しながら、責任感は薄く、時として国際的な規範に基づく秩序を乱してきた」と批判。「中国の南シナ海における挑発行動は、米国とインドが支持する国際法と規範に対する直接的な挑戦」と位置付けた。 米国は中国との建設的な関係を望んでいるとしながらも、「中国は近隣国の主権を侵害し、米国および友好国に損害を与えている。だがそうした秩序に対する中国の挑戦によって、我々が萎縮することはない」と力説した。 米国は外交努力を通じて中国の北朝鮮に対する圧力を強めようとしており、トランプ大統領は3週間後に中国訪問を控える。北京では18
【モスクワ=遠藤良介】ロシアと中国、中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)の首脳会合が8日、カザフスタンの首都アスタナで開幕。2日間の日程では、準加盟国のインドとパキスタンの正式加盟が承認され、SCOが初の「拡大」を果たす見通しだ。正式加盟の受け入れは、SCOの存在感向上を狙うロシアが主導。しかし、対立し合うインドとパキスタンの加盟は、同機構の効率や方向性を不透明にするとみられている。 首脳会合に先立ち、プーチン露大統領と中国の習近平国家主席が会談し「連携強化を確認した。インドとパキスタンは2015年に正式加盟を申請。SCO内部の機能強化を優先する立場から中国が受け入れに消極的で、手続きに時間を要した。SCOは、加盟8カ国で世界の人口の43%、国内総生産(GDP)の24%を包含する機構となる。 ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、インドとパキスタンの加盟で「機構の国際的権威が高まる
ネパール、中国「一帯一路」参加で覚書=インドとの摩擦必至 ネパール大地震の被災現場=2015年4月、カトマンズ(EPA=時事) 【ニューデリー時事】ネパール政府は12日、中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」参加に関する覚書に署名した。南アジアでの中国の影響力拡大を警戒するインドの神経を逆なでするのは確実で、インドは政治、経済両面でネパールへの圧力を強めるとみられる。 北朝鮮が「一帯一路」参加=中国 ネパールのマハト外相は覚書署名後の記者会見で「内陸国ネパールにとっては、道路や鉄道を建設して連結性を高めることが重要で、こうしたインフラ分野に投資を呼び込みたい」と説明。14、15両日に北京で開かれる「一帯一路」に関する国際協力サミットフォーラムにも参加すると表明した。(2017/05/12-14:43) 関連ニュース 【国際記事一覧へ】 【アクセスランキング】
新疆ウイグル自治区のウルムチ南駅のプラットホームに止まっている、中国の高速鉄道、蘭新線第二複線の甘粛省蘭州行き列車(2014年12月26日)〔AFPBB News〕 いま中国の習近平政権が世界に対して発展戦略として提唱している「一帯一路」とは、どのような政策であり、その狙いは何であろうか。また、それに対して関係国、特に利害関係の深い周辺国はどのように対応しようとしているのであろうか。 1 発展戦略としての一帯一路政策の形成とその狙い 馮并著『"一帯一路": グローバルな発展のための中国の論理』(中国出版集団、2015年)によれば、初めて「一帯一路」の概念が提唱されたのは、2013年9月の習近平主席のカザフスタン訪問時である。 習近平主席は、欧州とアジアを東西に連接し、シルクロードを創ることを提唱した。その協力内容として挙げられたのは、物流、貿易と投資、金融、エネルギー、食糧安全保障などの分
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