[マニラ 2日 ロイター] - 中国政府の勢力圏に引き寄せられる国々がアジア全域で増えつつある。先月末のASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議が示した南シナ海の領有権問題に対する弱腰姿勢は、こうした根本的な地政学的シフトが勢いを増していることを明確に物語っている。 トランプ米大統領が先週末にフィリピン、タイ、シンガポールの首脳と相次いで電話会談を行ったことは、トランプ氏の「米国第一」主義によってオバマ前政権の掲げたアジア「基軸」戦略が放棄されたのではないかと懸念していた人々を勇気づけたかもしれない。 だが、プリーバス大統領首席補佐官によれば、各国首脳との会談は、北朝鮮との対立が「アジアでの核や大量破壊」につながった場合に、アジア同盟国との連携を保つことを意図したもので、広範囲な戦略的目標には触れなかったという。 米国が自分たちの後ろ盾になっていると、東南アジア諸国が安心するためには、もっ
3月30日、フィリピンの野党議員ゲイリー・アレハノ氏は、今月申し立てたドゥテルテ大統領の弾劾請求に関して、ドゥテルテ氏が南シナ海の領有権を巡る政策で中国に「敗北主義的な姿勢」を取っていることを新たな請求理由に加えると述べた。写真は記者会見に応じるアレハノ氏。マニラで撮影(2017年 ロイター/Erik De Castro) [マニラ 30日 ロイター] - フィリピンの野党議員ゲイリー・アレハノ氏は30日、今月申し立てたドゥテルテ大統領の弾劾請求に関して、ドゥテルテ氏が南シナ海の領有権を巡る政策で中国に「敗北主義的な姿勢」を取っていることを新たな請求理由に加えると述べた。 アレハノ議員は、ドゥテルテ氏が自国の主権を守る考えがないことを示す発言を繰り返しているほか、不満や感情を爆発させて米国などの同盟国との関係を悪化させていると指摘した。 アレハノ議員は今月16日、重罪、国民の信頼に対する裏
(CNN) 中国を公式訪問したフィリピンのドゥテルテ大統領は20日、米国とは軍事的にも経済的にも「決別」すると発表した。一方、中国の習近平(シーチンピン)国家主席との会談では、貿易、投資、観光、犯罪麻薬対策など13分野の2国間協定に署名。米国よりも中国との関係を重視する姿勢を鮮明にした。 ドゥテルテ大統領は北京で経済界の指導者を前に講演し、「アメリカは負けた。私はあなた方の思想の流れの中に身を置くことにした」と宣言。「多分ロシアにも行ってプーチン大統領と会談し、中国、フィリピン、ロシアの我々3カ国は世界に立ち向かう存在だと告げる」と言い放った。 米国と具体的にどう決別するのか、決別すればどうなるのかについては言及しなかった。 この発言について米当局者は、フィリピンとの外交、軍事、経済関係には長い歴史があると強調している。ホワイトハウスのシュルツ副報道官は20日、大統領専用機内で記者団に対し
フィリピンの首都マニラで、同国軍の兵士らを前に演説するロドリゴ・ドゥテルテ大統領(2016年10月4日撮影)。(c)AFP/TED ALJIBE 【10月5日 AFP】過激な発言で知られるフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は4日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に対し「地獄へ落ちればいい」と言い放つとともに、同国が何十年も維持してきた米国との同盟関係を断絶し、代わりに中国やロシアとの関係を強化していく可能性をちらつかせた。 米比両軍は現在、毎年恒例の合同軍事演習を行っている。ドゥテルテ大統領は先に、自ら掲げる犯罪撲滅戦争で多数の死者が出ていることに対する米国の批判に反発し、自身の在任中には今回の合同演習が最後になるかもしれないと警告していた。 ドゥテルテ氏は、4日に行った2つの演説で、米国や国連(UN)、欧州連合(EU)から人権を尊重
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9日投開票のフィリピン大統領選は、実績はあるが暴言が絶えない“フィリピン版トランプ“と言われるロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長が、蔓延する犯罪や薬物問題を一掃した強いリーダーシップや現政権への不満を背景に、世論調査の支持率で他候補を大きくリードし、選挙戦を有利に展開。 フィリピンでは勝者決定には多数代表制が採用され、過半数を超えたか否かに関係なく、得票率が最も多かった候補者が次期大統領の座を勝ち取ることになり、(日本時間9日深夜の政府非公式発表や政府認可選挙監視組織「PPCRV」などによる情勢から)ドゥテルテ市長がフィリピンの新大統領に選ばれることが確定的となった。 一方で、教会で拾われた清廉潔白のイメージが売りの”元孤児“の女性上院議員のグレース・ポー氏や、アキノ大統領の後継指名を受け選挙戦終盤、組織力と資金力で支持率をじりじり上げてきたマヌエル・ロハス前内務・自治相は、結局、獲得票が伸
5月10日、中国は、同国が領有権を主張する南シナ海の岩礁付近に米艦船が接近したことに反発し、中国軍の戦闘機を緊急発進したと発表。写真は2014年8月に米海軍が撮影した中国のJ11戦闘機。米海軍提供(2016年 ロイター) [北京/香港 10日 ロイター] - 中国は10日、同国が領有権を主張する南シナ海の岩礁付近に米艦船が接近したことに反発し、中国軍の戦闘機を緊急発進したと発表。米艦の航行を「平和に対する非合法な脅威」と非難した。 米海軍は中国が実効支配する永暑礁(英語名ファイアリー・クロス礁)から12カイリ(約22キロ)内にイージス駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスを派遣し、「航行の自由」作戦を実施した。中国はこの岩礁に人工島を造成しており、滑走路などの建造を進めている。
[ワシントン 28日 ロイター] - 米国は今週、中国が「領海」と主張する南シナ海の海域にミサイル駆逐艦を派遣した。だがこの派遣をめぐって、国防総省内の一部当局者は数カ月に及ぶオバマ政権と国務省の「不必要な先延ばし」に不満を募らせていたという。 10月28日、米国は今週、中国が「領海」と主張する南シナ海の海域にミサイル駆逐艦を派遣したが、政府部内の一部は派遣に至るまでの数カ月に及ぶ「不必要な先延ばし」に不満を募らせていたという。写真は南シナ海で中国が人工島を造成している南沙(英語名スプラトリー)諸島ファイアリー・クロス礁の衛星写真。9月撮影。提供写真(2015年 ロイター/CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe) カーター国防長官が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国が人工島を急造していることへの対応策として
ひょっとするとリベラルな国際秩序の感覚とその教えこそが、中長期的には中国の不法な行動を止める大きなブレーキとなりうるかもしれません。私たちは、100年かけようと、中国の良識ある人々たちと一緒になって、その可能性にかける必要があることは間違いないでしょう。 コレヒドール島の歴史が教える南シナ海の未来 今回のマニラ訪問では、アジアの秩序をめぐる歴史についていろいろ考えさせられました。会議前日の休みを利用して、第2次世界大戦中の日米がぶつかった激戦地であるコレヒドール島を訪ねることができたからです。今ではマニラから観光船に乗って1時間半ほどでコレヒドール島に到着します。 1942年5月にフィリピンを攻略した日本軍は、米国の司令部が置かれていたコレヒドール島に総攻撃をかけます。あのダグラス・マッカーサー将軍がまさにこのコレヒドール島の駐フィリピン米軍最高指揮官であったことは有名な話です。しかし、日
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