尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の領海内で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした衝突事件から7日で12年。中国公船の「常在化」が進む周辺海域だが、中国漁船による違法操業は激減していることが7日、分かった。中国当局が尖閣周辺の日本の領海を漁業用途の「管轄海域」から除外し、中国漁船の操業を厳格に管理しているとの見方もあり、自国漁船の管理と日本漁船への圧力で、実効支配を演出する意図がうかがえる。(大竹直樹) 事件は平成22年9月7日、尖閣諸島周辺の領海で発生。海保の巡視船が中国漁船に領海から退去するよう警告すると逃走、巡視船に体当たりし破損させた。海保は中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕したが、中国側が釈放を要求。那覇地検は「日中関係に考慮」などとして、釈放した。 動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された、平成22年9月7日に沖縄県・尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件の映像(海上保安庁提供)