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安倍晋三首相は対ロシア外交の新たな戦略として自衛隊と露軍の防衛協力の強化を柱に据える。15、16日の日露首脳会談で合意した外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)の再開はその第一歩だ。同盟国である米政府が抱く日露接近の懸念を振り切ってまで日露防衛協力を急ぐのは、なぜか。 中国の軍事的脅威が眼前に迫った現実的な危機に変質するにつれ、防衛省・自衛隊では露軍との協力が必要との認識が高まっていた。シーレーン(海上交通路)である太平洋、インド洋、北極海で支配する領域を膨張させようとする中国を押さえ込むには、日露が補完しあえる分野があると踏んでいたからだ。 日露両政府は平成25年11月の2プラス2で、海上自衛隊と露海軍の共同訓練を従来の捜索・救難からテロ・海賊対策への拡大で合意。次回協議の開催も確認したが、ウクライナ危機で中断していた。日米に比べれば初歩的な訓練メニューだが、協議再開は自衛隊と露軍が協力でき
ロシアのメドベージェフ首相が北方領土の択捉島に入った前日の21日、極東ウラジオストク近郊の海域で中国海軍が加わり、合同軍事演習が始まった。9月3日にはプーチン大統領が北京で行われる抗日戦争勝利記念行事に参加する。この3つは連動しており、歴史問題や領土問題をカードにして、戦後70年の今年にプーチン政権が企てた日本への揺さぶりだとみている。 さらにロシアはウクライナ情勢で苦境を迎える中、中国側の思惑に引きずられるように対日牽制を強めていることが懸念される。今年5月のモスクワでの対独戦勝記念式典でも、プーチン大統領は「日本軍国主義」をナチズムと同列に表現して、歴史問題で中国に同調するかのような姿勢を示した。 今回の軍事演習でも、中国から新型揚陸艦が参加し、期間中、初めての上陸作戦演習が組まれている。これは北方四島を想定したものである可能性がある。これまで中国との合同演習でもロシア側は、日本に配慮
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