(台北 17日 中央社)来年度から実施予定の小中高の社会科の学習指導要領づくりが教育部(教育省)によって進められている。今月13日の会議では、高校の歴史科について、歴史上の出来事を年代別にまとめる指導方針から、テーマ別のアプローチに変更する方針が固まった。これまで独立していた中国史は東アジア史と関連させて扱われることになる。これに対し、野党・国民党は、政府は中国史を削減し、中国的要素を排除しようとしていると反発を示した。 同部は今回の改訂について、これまでの、一つの地域に焦点を当てた歴史学習から脱却し、「中国と東南アジア」「台湾と世界」など地域間の交流を重視する方針に転換する立場を示している。生徒が国際的な視野で歴史を捉えられるようにするのが狙い。同部は今月末までの審議完了を目指す。 国民党立法院党団(議員団)は14日、記者会見を開催。曽銘宗書記長は、政府の政治的な目的は明らかであり、新し
ショッキングな本(中国語)が香港で発売されている。発売と同時に欧米メディアの香港特派員が一斉に報道、すでに英訳が進められているらしい。 著者はいい加減な人ではない。香港のリベラル派雑誌「開放」の編集長だった女流ジャーナリスト、蔡詠梅。 1948年四川省成都に生まれ、80年代に香港に移住。「香港時報」の論説委員などを経て92年から2014年まで「開放」編集長を務めた。1989年の天安門事件の際には1か月にわたり北京で取材活動を続けていた。 お断りしておくが、本コラムではこれまで英語で出た新刊書を紹介してきた。今回の本は中国語。筆者の語学力では歯が立たない。 そこで知人の米香港特派員から得た情報を基に取り寄せた本書の問題部分を在米中国人に英訳してもらうというまどろっこしいプロセスをとった。 おそらく英訳本が出るとの想定、しかも出れば確実にベストセラーになるとの考えてのことだ。その意味では「番外
中国四川省北川県の北川紅軍小学校で、国旗掲揚後に合唱する制服姿の生徒たち(2015年1月21日撮影)。(c)AFP/FRED DUFOUR〔AFPBB News〕 「中国の教科書の偽善」──米国の大手紙「ウォールストリート・ジャーナル」(6月17日付)がこんな見出しの分析記事を掲載した。中国は日本の教科書の内容を厳しく批判しているが、自国の歴史教科書では重要な史実を無視し、ことさら愛国と反日を煽っていると指摘する報告だった。 中国の教科書が日本に関しては戦争中の残虐行為ばかりを教え、戦後の日本の平和主義や民主主義の実績はまるで無視しているという実態は、以前から指摘されてきた。中国当局が、日本の終戦70年談話で過去の戦争への謝罪のみにこだわるのも同様の現象と言ってよいだろう。 ウォールストリート・ジャーナルの記事は、「東アジアで歴史修正主義を志向する国は日本だけではない」という副題が付けられ
安倍首相を非難することが目的ではない ――お二人には「声明」の内容と発表の経緯について、そして発表後の数日間に表明されている、いくつかの批判についてもお話を伺いたいと思います。まずサンド教授に伺います。「ウォールストリートジャーナル」と「ファイナンシャルタイムズ」の両方が声明を安倍首相に対する非難(rebuke)とみなしています。非難との見方は声明の趣旨を正確に表し、あなた方の意図を捉えていますか。 サンド: 声明は日本にいる同僚、日本社会、メディアおよび政府に宛てたものです。私たちは、「慰安婦」問題に政府が対応することを期待する旨を表明しました。首相にできることは数多くあると思いますし、それは署名者の多くも同様だと思います。 しかし、私は首相を非難するために参加したのではありません。それは私たちの役割ではないと思います。声明を非難として解釈することが間違っているとは言いませんが、こちらの
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