もし在韓米軍が縮小・撤退したら?日本と日米同盟に求められる役割 極東における米軍プレゼンスの将来と日本の役割(3) 前回のシナリオ分析を踏まえて、日本の安全保障への影響を考えるとどのようなことが言えるであろうか。在韓米軍の縮小・撤退がいかなる形で行われるとしても、それは段階的に行われると考えるのが現実的だ。日本にとっての最悪のシナリオである「中国の影響下に置かれた、核付きの統一朝鮮の誕生」まで状況が悪化するには、十年単位の時間を要するはずであり、実際には同じ時間軸の中でシナリオが分岐するというよりも、状況の悪化がどこで止まるか(どこで止めるか)というイメージで捉えるのが適切であろう。 その上で、在韓米軍の一定程度の縮小・撤退が避けられないと仮定すると、当然在日米軍や日米同盟、それに日本自身の役割・任務・能力の強化を検討していく必要が出てくる。ただし、それらの機能を強化するにしても、それぞれ