(文中敬称略) 6月7日のトルコ総選挙の結果は、事前に政権与党・AKP(公正発展党)の苦戦が伝えられてはいたものの、その予想をも上回る同党の敗北で終わった。 第1党の座は保っても、13年にわたり議会で維持してきた単独過半数は失われ、同党を事実上率いる大統領のレジェップ・タイイップ・エルドアンが描いた憲法改正による議員内閣制から大統領制への移行は、少なくとも当面は夢と消えた感がある。 主義主張が大きく異なる政党間(イスラム対世俗主義、民族主義対クルド人)で連立与党が組めるのか、何とか組めたとしてもエルドアンの狙う憲法改正に持ち込めるのか(最低でも議会定数550人の5分の3以上の発議が必要)、あるいはエルドアンが再選挙に向けて強行突破を図るのかなど、俄然トルコの政治状況は不透明感が満ち溢れるようになってしまった。 これからどうなるのかの予測は、トルコを専門とされる方々にお任せするが、エルドアン