中国の最高指導者が約8年半ぶりに来日した。習近平(シーチンピン)国家主席は大阪で開かれている主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席し、安倍晋三首相とも会談した。米中対立が中国にとって日本の戦略的な価値を高めているとはいえ、中国ビジネスに携わる人たちはほっとしている。 習氏のつゆ払いをかねて…
前回の小欄(「北方領土に行ってみた(再訪)」)では、5年ぶりに訪れた北方領土の国後島をめぐる状況について述べた。 そこで今回は、二つ目の訪問先である択捉島についても紹介してみたい。なお、択捉島の訪問は7月29日と30日の2日間にわたって行われた。 目を見張る観光業の発展 択捉島は北方領土最大の島であり、その面積は約3187平方kmと、沖縄本島の2.7倍ほどもある。また、前回も述べたように、択捉島には大手水産企業ギドロストロイの事業所が複数置かれているため、経済的にも国後島よりも全体的に豊かであるとされる。 そのことは、我々が上陸したクリリスク市内の様子からも明らかであった。 道路の舗装率や建物の新しさなどは明らかに国後島をしのいでおり、島民の服装も心なしか国後島よりもこざっぱりとしている。 何より際立っていたのは、択捉島に観光業が成立しつつあることだった。5年前の訪問時にもすでに島内にホテ
右肩上がりに伸びる訪日中国人数。さぞ日本人がその恩恵を受けていると思いきや、中国人だけが儲かる中国人のためのシェアリングエコノミーが拡大している。政府は、その実態や規模を全く把握できていない――。 7月某日午前1時の羽田空港国際線ターミナル。中国の航空会社で上海から到着した中国人旅客が到着ゲートからあふれ出てきた。到着ロビーでは、男性が中国人の名前を記したカードを掲げている。彼は到着客の女性グループと落ち合うと、便宜的なあいさつを交わし、駐車場に消えていった─。 深夜の羽田空港で待ち構えるドライバー 2015年頃から中国では「境外包車」(海外車チャーター)と呼ばれるサービスが成長を続けている。シェアリングエコノミーの一種であるライドシェア(一般市民によるタクシーサービス提供)の手法で運営されており、ドライバーは現地在住の華人・華僑だ。世界中で「皇包車」「唐人接」「易途8」「蜜柚旅行」「走着
【ソウル=名村隆寛】韓国北部議政府(ウィジョンプ)市の駅前の公園に、初代韓国統監の伊藤博文を暗殺し死刑となった安重根(アン・ジュングン)の銅像が9日までに設置された。中国から贈られたもので、韓国メディアによれば製作は習近平国家主席の指示によるものという。 像は高さ2・5メートルで、安が懐から拳銃を取り出す暗殺直前の瞬間を再現している。2013年6月に朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)が訪中した際、中韓首脳会談で、暗殺現場の中国黒竜江省のハルビン駅に碑を建てることを要請。これを機に像は2体製作され、もう一体はハルビン駅の安重根記念館に設置されるという。 像は5月に韓国へ搬入されていたが、中韓関係の悪化で公開が遅れていた。今月4日、中国側から公開を認める連絡があり、8日に設置された。議政府市では、像の設置による中国人観光客の増加や対中関係改善を期待しているという。
温泉旅館の楽しみといえば、温泉と料理。心配事が何もなければ、思う存分楽しむことができるはずですが・・・。(写真はイメージ) これまで3回にわたって、初めての日本旅行をレポートしてきた中国人の李小勇さん(仮名)。夫婦旅行のはずが家族全員で行くことになり(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46515)、大阪では心斎橋の魔力に翻弄され(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46689)、そして京都観光のはずが買い物に引き込まれたり(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46937)と、紆余曲折をたどっています。 そんな李さん一家の旅行も、いよいよ佳境に。奥さんの買い物熱に引き込まれながらも、何とか京都観光を済ませ、李さん念願の温泉旅館にたどり着いた一家。あとは温泉と夕食を楽しむだけと思
前々回の記事「3世代でGO!中国人の日本旅行はこうして大所帯に」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46515)で、家族そろっての日本旅行となってしまった、中国人の李小勇さん(仮名)。前回の記事「『心斎橋は魔界だ!』中国人が最も用心する理由とは」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46689)では、大阪・心斎橋でのお土産をめぐる家族内のさまざまな葛藤をご紹介しました。 そんな買い物熱も冷めやらぬまま、今回は大阪を離れ京都へ向かいます。お寺巡りをしたいというお義父さんの希望をかなえてあげたい李さんですが、予定通り上手くいくのでしょうか・・・? それでは、李さんの日本旅行エピソード第3弾、お楽しみください。 神経を使う家族での移動 お義母さんと妻の大喧嘩を何とか潜り抜け、日本旅行大阪編は無事終了した。そして、今日は
これまで、爆買いの歴史、中国の人たちが爆買いに走る背景、中国人独自の人間関係、爆買いする中国人への有効なアプローチ方法、訪日中国人に見られる変化などさまざまな視点から「爆買い」現象について紹介してきました。 この連載を始めた2015年3月から、まもなく1年が経とうとしています。約1年前と現在(2016年2月)では、「爆買い」をめぐる状況は大きく異なっています。その変化の速さには驚くほどです。 この連載を始める前から、すでに爆買いは始まっていましたが、特にこの1年にわたる爆買い現象は、日本や日本企業だけでなく中国にも大きな影響を及ぼしました。一方で、「この現象は一過的なものでは?」という心配の声も聞こえてきます。 そこで、今回は「爆買いが日本と中国に与えた影響」について振り返りながら、今後も変わりゆく市場において、爆買いの恩恵を受け続けるための鍵とは何か、お話したいと思います。 日本への影響
「観光立国」を掲げ、海外からの観光客誘致に力を入れているという点では、韓国も日本と同様だ。ここ数年、中国人観光客の爆発的な増加で、外国人観光客の訪問者数も急増している。ところが、韓国への訪問者数は、2015年に12年ぶりにマイナスに転じ、こともあろうか7年ぶりに日本に逆転されてしまった。 「中国人観光客、韓国では化粧品だけを買うのに、日本では温泉を楽しみ旺盛な金遣い」 2016年2月11日、韓国の「毎日経済新聞」はこんな大きな記事を掲載した。 中国の春節(旧正月)の大型連休にあたる2月初め、韓国にも大挙して中国人観光客が訪問した。 春節、中国人は来てくれたが・・・ これまでなら、百貨店の売り上げが急増した、繁華街の明洞(ミョンドン)一帯には歩くのも大変なほど中国人のショッピング客が詰め掛けた。ホテルの予約が取れない・・・などなど威勢のよい話を集中的に報じることが一般的だった。 だが、この記
香港国際空港はいつも中国大陸からの観光客でごった返しているが、今回は入国審査を通過するのに10分もかからなかった。そこから市内に行くために「机場快車」という電車に乗ったが、乗客は4割程度だった。安い部屋を予約していたホテルにチェックインすると、オーシャンビューの部屋に案内してくれた。 なぜここまで移動がスムーズで、おまけにホテルは待遇を良くしてくれるのか? それは中国人観光客が大幅に減少したからである。 香港人の反中感情が高まっている 地元の銀行に行ってヒアリングを実施したところ、相手は開口一番「何しに香港に来たのか」と言う。質問の真意が分からないので、「というと?」と聞き返した。 すると、「香港はなんでも高いだろう。日本のほうがめちゃくちゃ安い」と答えた。マクロ経済についてインタビューを申し込んだのだが、いきなりミクロの話になった。話題を変えるのももったいないので、そのまま香港のミクロ経
中国で最も長い連休の1つである国慶節(こっけいせつ)が終了しました。連休が始まる前は、中国の景気を懸念して、中国人が来なくなるのではないか、爆買いは消えてしまうのではないかといった心配もありましたが、終わってみたら、やはり訪日中国人のパワーは凄まじく、国慶節の1週間で多くの中国人が日本を訪れ、大量のお金を使っていきました。 中国でもこのように報じられています。 『国庆节40万中国人在日本消费1000亿日元』(国慶節に中国人40万人が訪日、消費額は1000億円) その意味では、今年の国慶節も例年通りと言えますが、一方でこれまでにないさまざまな変化もみられました。簡単に言えば、「観光バスで乗りつけて免税店で大量に買い物をして去っていく」という従来の“爆買い”中国人のイメージは変わりつつあります。 そこで今回は、2015年の国慶節を振り返りつつ、今年新たに見えてきた爆買い中国人の変化について紹介
中国からの日本旅行者がピークになる夏休みは終わりましたが、最近は日本旅行も通年化していますし、さらにこれから9月末の中秋節、10月頭の国慶節と連休が続くため中国人の日本旅行熱が衰えることはなさそうです。 9月の初めに中国で行われた抗日戦争勝利70周年記念軍事パレードの様子は日本でも大々的に報道されましたが、筆者の周辺はいたって平静です。何人かの友人はこの連休を利用して日本へ旅行に行っています。このように政治的な問題はどうあれ、中国人の日本旅行はさらなる盛り上がりをみせています。 さて、前回の「メイクよりも“肌ケア”に気合を入れる中国の女性」では訪日中国人のお土産として大人気の化粧品について、中国人の化粧品に対する考え方や、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、それぞれの発信すべき情報の違いについて紹介しました。 今回は、化粧品と同様、中国人観光客に大人気の「医薬品」について、その背景と医薬
9月3日、北京で「抗日戦争勝利70年」の式典が行われた。中国で9月3日は「抗日戦勝記念日」である。戦後70年の今年は国家的行事の日に格上げされて3連休となり、大規模な式典が開催された。 中国では式典に先駆け、マスコミが数々の特集を組んだ。新聞は数ページを割いて特集記事を作り、テレビは中国の軍事力を解説する特番や90歳代の老兵を取材した番組などを絶え間なく放送した。 中国政府は、中国全土を再び「抗日一色」に染めようとしていた。2012年9月の反日デモを体験した日本人は、当時のつらい記憶を思い出さずにはいられない。中国人たちに囲まれて言いがかりをつけられる日本人もいれば、熱いラーメンをぶっかけられた日本人もいた。日本語を話すことさえ憚られ、中国にいる日本人たちは隠れるようにして嵐が過ぎ去るのを待ったものだ。 現地の日本人はあの悪夢が再び現実のものになることを怖れた。9月3日の「戦勝記念日」を前
前回の『中国人「爆買い」商品の人気が人気を呼ぶメカニズム』では、訪日中国人が帰国後に再購入のチャネルを使い分ける様子、定番商品が誕生するメカニズムなどについて紹介しました。 日本を訪れる中国人の爆発的な増加が、中国の連休時期だけではなく通年化し、さらに中国のインターネットとソーシャルメディアの力を得たことによって、「爆買い」は一過性の流行では終わらない現象になりました。ただ、現在の爆買い現象には問題もあります。 それは、日本企業から見ると、爆買いがあくまで「売れている」に過ぎないという点です。多くの商品が売れていても、それは「企業が仕掛けて、その結果として商品が売れた」わけではないのです。 「売れる」から「売る」へのステップアップが、今後、企業にとって非常に重要なポイントになります。なぜならば、売れているという状態は主導権が消費者側にあるため、とても不安定で、突然売れなくリスクを常に抱える
中国政府による旅行業界の規制強化、2014年のマレーシア航空機の失踪事故などによって、中国からの観光客は減少傾向にあるという。だが、依然としてシンガポールを訪れる外国人観光客の中で中国人が最多であることに変わりはない。一時期より減ったとはいえ、やはりどこでもその姿を目撃するのである。 市況を狂わせた中国人の不動産投機 だが中国からの観光客に対する地元市民の印象は、決して好意的なものとは言えない。 「中国人観光客がシンガポールをすっかり変えてしまった」と語るのは、中国系シンガポール人のローさんだ。先祖は広東省の出身だというローさんは「不動産が値上がりしたのも、物価が上昇したのも、すべて中国人のせいだ」と恨みをぶちまける。 中国経済が上り調子だった2011年前後、団体旅行でシンガポールを訪れた中国人は、シンガポールの不動産に投資物件としてのうまみを見出し、次々に不動産を購入するようになる。やが
観光立国として進化を続けるシンガポール。ここ10年を見ても、チャンギ空港第3ターミナルの完成、地下鉄の路線拡大、総合リゾート施設としてのカジノ開設と、絶え間なくグレードアップを重ねている。 ここには世界からの旅行者を惹きつけてやまない数々の魅力がある。シンガポールへの渡航者は2004年は830万人だったが、2014年には1500万人を突破した。10年で2倍近くにまで渡航者が増えた背景には、もちろん中国人観光客の存在がある。 マリーナ地区の有名なマーライオン像の周りにはわんさと中国人観光客が訪れ、撮影スポットを奪い合っている。空港に近いホテルのロビーに所狭しと並べられているのは、中国からの団体観光客のスーツケースだ。夜のエレベーター、朝のダイニングルームはざっと8割が中国人である。朝食のバイキングは、ドッと繰り出す中国人によって一瞬にして食べ尽くされてしまう。 どこに行っても出くわす中国人観
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