1972年東京生まれ。専門は国際政治、コーカサスを中心とした旧ソ連地域研究、紛争・平和研究。主な著作に『旧ソ連地域と紛争――石油・民族・テロをめぐる地政学』(慶應義塾大学出版会)、『強権と不安の超大国・ロシア――旧ソ連諸国から見た「光と影」』(光文社新書)、『コーカサス――国際関係の十字路』(集英社新書)【2009年アジア太平洋賞特別賞受賞】など。 今年の5月14~15日に、中国が推進している現代版シルクロード経済圏構想である「一帯一路」の国際会議が中国の首都・北京で開催された。同会議には、全世界の計130カ国の1500人、そして29カ国の首脳が参加した。「一帯一路」は中国が4年の年月をかけて推進してきたものだが、このような会議が行われるのは初めてであり、中国は大国の威信をかけてこの会議に臨んだ。この会議は、中国の最近の外交政策の成否のメルクマールとなり、また今後の「一帯一路」の発展を展望