韓国サムスン電子が10月10日に発表した13兆1000億ウォン(約1兆2000億円)もの大型投資は、経営の先行きを指し示すものだった。有機ELテレビに使う次世代大型パネルのラインを整え、ライバルのLGとは異なる技術を使って色彩を豊かにするという。サムスンはローエンドからハイエンドまで幅広い製品を大量に供給してコスト効果を追求してきた。中国企業の追い上げを受け、高付加価値戦略に経営を切り替える姿勢が鮮明になっている。 「外部の追撃が速くなるほど、挑戦が強くなるほど、革新を重ねて徹底的に準備する」。李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は韓国中部の牙山(アサン)市にあるパネル生産拠点で開いた新ラインの記念式典でこう話した。 この記事は会員登録で続きをご覧いただけます 残り1719文字 / 全文2038文字
かつて日本を抜き去った韓国の半導体産業が今度は抜かれる立場に追い込まれている。中国の大規模な投資攻勢にさらされているためだ。中国は投資のみならず、韓国の優秀な半導体技術者を多額の費用をかけて盛んにヘッドハンティングしている。ヘットハンティングもかつて韓国が日本に行っていたことで、まるでデジャブをみているようだ。中韓の技術格差が年々縮まり、抜かれるのは時間の問題になりつつある。日本経済は半導体にかつての勢いはないものの、「失われた20年」を経て復活を果たした。基礎研究力の脆弱(ぜいじゃく)さをたびたび指摘される韓国。「お家芸」となった半導体が危機にさらされる中、蘇ることができるのだろうか。 ◇ このところの中国の半導体投資の勢いはすさまじい。半導体ファウンドリー、武漢新芯集成電路(XMC)は、米半導体設計企業サイプレスと共同で240億ドル(約2兆7200億円)を投資し、湖北省武漢市にメモリー
「あのポスコが・・・」。韓国の産業界で、大きなため息が漏れている。韓国を代表する鉄鋼大手のポスコが2015年決算で会社創立以来初めての赤字に陥ると発表したのだ。ポスコだけではない。韓国の看板企業で不安の声が急拡散している。 2016年1月18日、ポスコの発表に韓国の産業界が驚いた。 「2015年決算を最終集計中だが、純損失が赤字に陥る可能性が高い」と発表したのだ。 それから10日後の1月28日、ポスコは「2015年の連結決算で960億ウォン(1円=10ウォン)の赤字に陥った」と発表した。 この日の会見で権五俊(クウォン・オジュン=1950年生)ポスコ会長は「不断の努力にもかかわらず世界的な景気停滞と為替の変動などで昨年の連結決算で初めて純損失を記録してしまったことに最高経営者として責任を痛感している」と語った。 ポスコはもちろん韓国を代表する高収益企業だった。2012年の純利益は2兆385
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