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香港で逃亡犯条例改正案問題を発端に発生した大規模な抗議運動は、発生から100日以上が経った現在も収束の気配を見せない。この事件は日本国内でも比較的関心が高く、催涙弾が飛び交う激しい衝突現場のレポートやデモ参加者の肉声、事態の背景などが数多くのメディアで報じられてきた。 意外と少ない「体制側」の意見の報道 だが、意外と少ないように思えるのが香港の「体制側」の意見の紹介だ。 もちろん、香港政府は北京の中国政府の強い影響下にあり、重要な政策決定は北京の意向に従わざるを得ないのだが、いっぽうで香港の立法会議員(国会議員に相当)の一部は普通選挙で選出され、市民にはデモ活動や体制批判的な言論も許されている。ゆえに中国内地と比較して、香港政府はある程度までは民意を汲み取った政治をおこなうことが求められている。 今回、私があえて話を聞いたのは、香港政界では建制派(中国に融和的な体制派)とみなされる立法会議
約3か月間にわたって香港を騒がせていた大規模デモは9月4日、騒動の引き金である逃亡犯条例改正案の完全撤回を香港政府側が表明したことで大きな岐路を迎えている。デモ賛同者の多くは「遅すぎる」と不満を表明し、残りの要求事項の実現を求めて抗議継続を宣言しているが、長期間の抗議運動が一定の成果を引き出したのは事実だろう。 私は8月26日から現地に滞在している。騒動が一定の節目を迎えたことで、現地で見聞した不都合な事実――。すなわちデモ隊にとって都合の悪い情報についても、あえて伝えるべきだと考えて今回の記事を書くことにした。以下で詳しく書くように、デモ参加者の一部はかなり暴力的な行動にはしっており、さらに従来我々に伝えられてきたデモ報道は(欧米メディアの情報も含めて)あまり客観的ではない。 条例改正案の撤回という最低限の落としどころが生まれたことを契機に、このデモは収束してほしい。私はいまやそう願うよ
いっぽう、当然ながら中国メディアの方針はその真逆である。彼らは香港人がなぜ逃亡犯条例に怒ったか、中国がなぜ近年の香港の若者から嫌われているかは伝えないが、「暴徒」の振る舞いや警官への暴行(ニセ情報を含む)といった非人道的な行為は詳細に報じている。 最前線に向けて水などの物資をリレーする勇武派の後衛部隊(上)、勇武派に加わっている10代なかばとみられる少女(下2枚)。8月31日撮影 彼らは報道のなかで、平和的な市民デモの参加者もすべて「暴乱分子」や「香港独立分子」と決めつけて罵倒し、今回の抗議運動への影響力をほぼ持たないジョシュア・ウォンや周庭らの有名な活動家を「香港独立運動の親玉」と激しく非難するのだ。 私のスマホには毎日のように、中国人の友人から香港デモの「真相」と称するプロパガンダ記事のURLが送られてくる。対してツイッターを開くと、ロイターやAPFの衝撃的な写真があふれ、ちょっと香港
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