中国・北京で開幕した米中戦略・経済対話で演説する習近平国家主席(2016年6月6日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News〕 中国の外交政策は世界経済の大きな部分を変える力を秘めている。 かつて中国の商人を中央アジアや中東、アフリカ、さらには欧州の商人と結びつけた巨大な交易ネットワークのシルクロードは、戦乱のために利用できない時代が数百年間続いた後、紀元7世紀になって最初の復活を遂げた。 中国の習近平国家主席は、この時期が「パックス・シニカ(中国の支配下での平和)」の黄金時代だったと考えている。当時は、中国製の高級品を欲しがる人が世界各地におり、シルクロードは外交面や経済面で勢力を拡大するための通り道になっていた。 シルクロードという名称自体は19世紀にドイツの地理学者が考案したものだが、中国はこれを大喜びで受け入れた。習氏はこのシルクロードと、それに付随していた栄光
新疆ウイグル自治区のウルムチ南駅のプラットホームに止まっている、中国の高速鉄道、蘭新線第二複線の甘粛省蘭州行き列車(2014年12月26日)〔AFPBB News〕 いま中国の習近平政権が世界に対して発展戦略として提唱している「一帯一路」とは、どのような政策であり、その狙いは何であろうか。また、それに対して関係国、特に利害関係の深い周辺国はどのように対応しようとしているのであろうか。 1 発展戦略としての一帯一路政策の形成とその狙い 馮并著『"一帯一路": グローバルな発展のための中国の論理』(中国出版集団、2015年)によれば、初めて「一帯一路」の概念が提唱されたのは、2013年9月の習近平主席のカザフスタン訪問時である。 習近平主席は、欧州とアジアを東西に連接し、シルクロードを創ることを提唱した。その協力内容として挙げられたのは、物流、貿易と投資、金融、エネルギー、食糧安全保障などの分
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