米ニューヨークで会談するスコット・モリソン豪首相(左)とジョー・バイデン米大統領=2021年9月21日、AP 米英豪による新しい安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」創設と、これに伴い豪が仏との潜水艦共同開発を破棄したことは、フランス外交にとって大きな打撃である。 フランス外交を長年フォローしてきたが、国際政治の場裏でフランスがこれほどの屈辱を味わわされた例を私は知らない。ルドリアン仏外相が「後ろから刺された」と、非外交的な生々しい用語で米英豪を非難したことに、誇り高いフランスの屈辱感がいかほどであったかが想像できる。 直前まで察知できなかった豪の動向 仏豪の間で2016年に交わされた潜水艦共同開発計画は、計12隻で総額560億ユーロ(約7兆2000億円)の巨額に上る。しかし計画の遅れなどから豪側では不満が強まっていたのと、中国の威圧的行動による南シナ海の安全保障環境の悪化によって、デ
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