今年4月30日夕方、新疆ウイグル自治区のウルムチ南駅で爆破事件が起きたばかりだ。そのすぐ近くにある朝市で、5月22日、さらにスケールの大きな爆破事件が起き、31人が死亡し、94人(一説には300人)が負傷した。 これら一連の事件の背景には何があるのか。少数民族の問題だけではない、中国周辺諸国との関係から読み解く。 ◆新シルクロード経済ベルト構想で置き去りにされるウイグル人 4月30日のときは習近平国家主席のウイグル自治区視察を狙った行動であることは明らかだ。習近平は4月27日からウイグル入りし、30日の午前中にウイグルを後にした。 なぜ「駅」が狙われたかは、2013年11月6日に本コラムで分析した「新シルクロード経済ベルト」に深く関係する。 「新シルクロード経済ベルト」とは中国と中央アジア5カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)とを結ぶ経済圏で、中国