ウクライナとEUの連合協定により、EUはウクライナの農産物に「関税割当」を設定し、ウクライナは品目ごとに一定量までは無税でEUに農産物を輸出できるようになった。しかし、畜産品は衛生・検疫基準が厳しく、ウクライナの生産者はその基準をなかなか満たせていないので、せっかくの割当が活かされない状態が続いている。畜産品でEUへの本格的な輸出が実現しているのは、今のところ鳥肉だけに留まっていた。 しかし、こちらやこちらのニュースに見るように、12月の初めにウクライナ南部のヘルソン州で鳥インフルエンザが発生し、ウクライナは鳥肉の輸出を停止、EU側もウクライナからの輸入を禁止した。ウクライナで鳥インフルエンザが発生したのは2008年以来である。2016年1~9月のウクライナの鳥肉輸出は17.8万t(2.1億ドル)で、前年同期比26%増だった。うち、CIS市場向けが3.5万t、アジア市場向けが7.9万t、E