拘束や拷問など、親露派が支配する故郷ドネツクでの経験を描いた自身の絵を見つめるセルゲイ・ザハロフさん。本にまとめて出版する計画だ=キエフで、真野森作撮影 ベニヤ板に描かれた骸骨やピエロのような親ロシア派戦闘員。ウクライナ東部ドネツク市の道端に風刺画8枚が掲げられたのは、2014年7月のことだった。その2カ月前、東部のドネツク、ルガンスク両州で親露派武装勢力が支配地域の「独立」を宣言していた。風刺画はすぐに撤去されたが、匿名のホームページに写真が掲載され、反響を呼んだ。 「占領への抵抗として、あれが私のできることだった」。「犯人」の芸術家、セルゲイ・ザハロフさん(48)はゲリラ的な表現活動に踏み切った理由をこう振り返る。扇動と銃による親露派の支配が広がる裏でロシアの工作員が暗躍していると理解したからだ。 この記事は有料記事です。 残り655文字(全文934文字)