梅雨が終わって日差しが強くなり、トマトが色づき始めました。トマトは、現在ではすっかり野菜として定着している植物ですが、実はヨーロッパでは約200年間観賞用の植物として栽培されてきました。今回は、そんなトマトのお話です。 トマトは多年草 日本の家庭菜園では、春に苗を植えて夏に収穫し、冬になると枯れてしまうため、一年草のイメージがある方が多いかもしれません。ところが、年中暖かい熱帯地域では多年草です。高さ3mほどになることもありますが、自立する能力がそれほど高くないため、背丈が高くなると茎からも根っこを出して、地面の上を這うように成長します。 ヨーロッパでは観賞用として栽培されていた 原産地は、ペルーのアンデス高原です。人類がいつ頃栽培を始めたのかについてはよくわかっていませんが、遅くとも紀元前5世紀にはメキシコのアステカ族が栽培をおこなっていたと考えられています。16世紀にスペイン人がメキシ