視覚障害のある三重県松阪市の男性(43)が、同意していない内容で代筆、捺印(なついん)がされた書類をもとに生活保護の申請を取り下げさせられた、と訴えている。市側は「同意を得たからこそ書類が残っている」との立場で、真っ向から主張が食い違う。何があったのか。 男性によると、失明したのは約10年前で、ホームヘルパーなどの手を借りながらアパートで一人暮らしを送る。障害年金だけでは生活が苦しく、2014年7月、生活保護を申請した。 ところが、受給決定の直後に民間の医療保険を解約し忘れていたことがわかり、支給を打ち切られた。このため、保険を解約した上で、15年11月に再び生活保護を申請した。 翌12月、市職員らが男性宅を訪れ、「離れて暮らす母親の援助が受けられるはずだ」と説明し、申請を取り下げるよう求めた。この際、1枚の文書がヘルパーの代筆で作られた。 文書のタイトルは「保護辞退届」。「母がこれまで通