【ワシントン=大内清】米司法省は4日、キューバ政府のスパイとして40年以上にわたり機密情報の漏洩(ろうえい)などに関わったとして、元駐ボリビア米大使のビクトル・ロチャ容疑者(73)が起訴されたと発表した。ロチャ被告は当初からスパイ目的でキャリア外交官として国務省に入省しており、「外国のエージェントによる最も高位かつ長期にわたる米政府への浸透例の一つ」(ガーランド司法長官)とみられる。 被告は南米コロンビア出身で、後に米国籍を取得した。1981年に国務省に採用されて以降、順調に昇進し、90年代には国家安全保障会議(NSC)でキューバ問題などを担当。2000年から02年には駐ボリビア大使を務めた。国務省退職後の06~12年には、中南米地域を担当する米南方軍司令官の補佐官として軍事情報にも触れられる立場にあった。 検察側の資料によると、キューバ情報機関の工作員を装った連邦捜査局(FBI)の覆面捜