日は過ぎ去らず―わが詩人たち (1983年) 作者: 小野十三郎出版社/メーカー: 編集工房ノア発売日: 1983/05メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る 最近、かなり以前にツイッターで感想を述べた、或る古い本のことで質問されることがあった。 その本の題は、『日は過ぎ去らず』といって、大阪出身の有名な詩人、小野十三郎が文学者たちとの交流の思い出をつづった本である。 色々と面白い本なのだが、その中でも私が特に関心をもったのは、やはり詩人の、谷川雁と黒田喜夫の二人について語っている箇所だった。 入手しにくくなっている本で、いま手元にないので、不正確な要約になると思うが、概ね次のようなことが書いてあったはずだ。 小野は、この二人の詩人の資質の違いの原因と呼べるものを、両者の「故郷」の捉え方の差異に見出す。 黒田は東北の農村の出身であり、谷川は(実兄の民俗学者健一とともに)九州(