●40人一時帰宅 津波被害甚大、停電続く 舳倉(へぐら)島で漁を生業(なりわい)にしてきた約40人が27日、約4カ月ぶりに一時帰宅した。津波に押し流された島内は瓦礫(がれき)や漁具が散乱したまま。海と生き、国重要無形民俗文化財の担い手でもある海女(あま)たちは、自然の猛威に息をのみながらも「いまさら陸(おか)では生きられん」と歯を食いしばり、漁の再開が見通せない中、波に漬かって潮の匂いが抜けない家屋の片付けに追われた。(奥能登支社長・山本佳久、社会部兼写真部・三上聡一) 輪島港から漁船で1時間半。津波に襲われ、4カ月近く無人となっていた島に上陸すると、壊れた漁具や家屋の残骸が山となったまま、時が止まっていた。 ●転がる三輪自転車 島唯一の発電所が停止し、各家の冷蔵庫に入っていた魚が悪臭を放つ。島民の「足」である三輪自転車など、あらゆるものが海女の住家の前に押し流され、転がっている。 島の港