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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (157)

  • 自民が下野する政権交代は再現されるか

    岸田首相もたたかれているうちに鍛えられてきた? FRANCK ROBICHONーPOOL/GETTY IMAGES <今の政治の状況は自民党が民主党に政権を渡した2009年の総選挙の時に酷似しているが、違うのは自民党に代わる受け皿が割れていること> 失敗をしたわけでもないのに、何をやっても盛り上がらない岸田政権。決着しない自民党の裏金問題。これまで旧民主党の残党に国政は任せられないと思い込んできた日人も、「自民党でも大同小異。ならば」と、そろそろ考え始めるかもしれない。 衆議院議員の任期は来年10月末に切れる。現状は、2009年8月の総選挙で自民党が181議席を失い、民主党(193議席も増やした)に政権を渡した時に酷似している。その時と違うのは、自民党に代わる受け皿が割れていること。やるのなら、派閥を解消して液状化した自民党が割れ、小池百合子東京都知事や野田佳彦元首相などを核に、野党の一

    自民が下野する政権交代は再現されるか
  • 最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

    <火山の熱や深海の水圧、真空の宇宙空間さえ生き延びるクマムシは、驚くべきDNA修復メカニズムを備えていた> クマムシは想像を絶するほどの過酷な環境を生き延びることができる生物だが、その生命力の謎が解明される可能性が出てきた。 【動画】クマムシは宇宙の最強生物 クマムシはその愛らしい姿から、水グマやコケブタと呼ばれているが、極端な高温や低温、高圧・低圧、空気不足、放射線、脱水、さらには宇宙の真空状態に至るまで、ほとんどの生命体にとって死を招く環境に耐えることができる。 最近、学術誌『カレント・バイオロジー』に掲載された論文によれば、この頑健な生物が放射線を生き延びるメカニズムが解明された。 体長わずか0.5ミリのクマムシは、さまざまな環境で生息している。コケ、落ち葉、淡水や海洋の堆積物などに生息していることが多いが、高温の沸騰泉、ヒマラヤ山脈の頂上、水深4000メートルの深海でも発見されてい

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに
  • 自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「森喜朗の国」になった経緯とは

    今回のAIイラスト:「日のプーチン」は柔道でなくラグビーがお好き? AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA STABLE DIFFUSION <新聞15紙を読み比べる政治ウォッチャーのプチ鹿島さんが森元首相が権力を掌握した歴史を振り返ると、ロシアのプーチン大統領もびっくりの巧妙さが浮かび上がりました> ロシア大統領選で「圧勝」したというプーチン。彼は2000年の大統領就任後、首相時代を含めおよそ四半世紀も実権を握り続けている。この事実に「まぁロシアはねぇ」とあきれた感じになる方も多いだろう。私もそうだった。でもハッと気付く。「日も似たようなものでは?」 思い出してほしい。プーチンの就任年に、日では森喜朗が首相になった。以降の日はずっと森の影響下に置かれていないだろうか。森は政界を引退したが自民党最大派閥の安倍派(旧・森派)では今も影響力を誇って

    自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「森喜朗の国」になった経緯とは
  • 大阪万博、大丈夫?予言されていた「荒井注」化の危機と見えてきたイヤ~な着地点

    今回のAIイラスト:もし岡太郎が「リング」をデザインしたら? AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA STABLE DIFFUSION <新聞15紙を読み比べるプチ鹿島さんが万博のプロセスを検証すると、様々なグダグダの先に「東京五輪」の亡霊が浮かぶホラー展開が見えてきました> 物事は「プロセス(過程)」こそ大事。結果オーライでいいなら民主主義だって多数決だけでよくなってしまう。だから途中経過や時系列をしっかり味わう。それはニュースの見方でもあるはず。その意味で大阪・関西万博は今まさにプロセスの「博覧会」中。万博開催までの経過、おさらいが欠かせないのである。 例えば万博招致に注力してきた日維新の会の振る舞いはどうだったか。そもそも「維新は万博を『成長の起爆剤』と訴え、大阪を含む関西を中心とした党勢拡大にもつなげてきた」(読売新聞、昨年9月24日)。

    大阪万博、大丈夫?予言されていた「荒井注」化の危機と見えてきたイヤ~な着地点
    dimitrygorodok
    dimitrygorodok 2024/03/11
    橋下時代からそうだけど、維新は地域社会の維持発展に興味はない。目くらましに派手な施策を打ち出しはするが結果責任を負う気はさらさらない。教育や伝統文化への予算は削るがワクチンや万博・カジノ誘致で大散財。
  • 原発処理水の海洋放出「トリチウム水だから安全」の二重の欺瞞 

    破綻の象徴──福島第一原発の敷地に作られた処理水用のタンク。来年には満杯になる見通し(写真は2019年2月) Issei Kato-REUTERS <「希釈すれば平気」とか「海外でもやっている」という嘘もさることながら、既成事実をつくって反対や疑念の声を押しつぶすやり口をはこれ以上許してはならない> 4月13日、日政府は、福島第一原発の冷却に使われていたトリチウムなどが含まれる汚染水を、貯蔵タンクの容量が限界に達しつつあるとして、再処理したうえで海洋放出することを決定した。しかしこの決定は国内外に波紋を広げている。 「トリチウム水」だから問題ない? 政府によれば、海洋放出される処理水にはトリチウム以外の放射性核種はほとんど含まれていないという。トリチウムは水から分離することが技術的に難しく、また体内に取り込んでも出ていきやすいので、大きな健康被害は起こりにくいとされている。そのため、海外

    原発処理水の海洋放出「トリチウム水だから安全」の二重の欺瞞 
  • 男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義

    <個の力をアピールして高揚させるが、しょせんは敗戦国の敗者復活戦に過ぎない> *若干のネタバレあり 11月3日から公開されている映画、山崎貴監督『ゴジラ-1.0』を鑑賞した。この作品のゴジラは、これまで観てきた「ゴジラ」シリーズの中でも屈指の恐ろしさで、第一作目の『ゴジラ』を彷彿とさせる。 <画像>生誕65周年、ゴジラの顔はこんなに変わってきた(写真15点) 一方でストーリーに関しては、筆者がかつて批判した「現場プロフェッショナルロマン主義」的な要素がある。それに基づいて戦後日歴史に新たなナショナリズムを与えようとするかのようなテーマになっていることには違和感を覚えた。 舞台は終戦直後の日 今回のゴジラ映画は、戦中から終戦直後にかけての日を舞台としている。1954年に公開され、同時代を舞台とした初代『ゴジラ』に年代設定は近い。ゴジラの描写も、原点回帰ともいえる、純粋に人々に恐怖を与

    男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義
  • ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」

    ハマスによる越境攻撃への報復として、イスラエル南部の境界付近からガザ地区を砲撃するイスラエル兵(11月6日) AP/AFLO <失われたアメリカの情報・判断力への信頼、民主主義国連合の亀裂。居直った中国ロシアがグローバルサウスを取り込み、世界の多極化を狙う> 今回のガザ戦争、その余波はどこまで広がるのだろう? 私見だが、悪しき地政学的展開が起きても、たいていは逆の好ましい力が働いて均衡を取り戻し、世界地図で見れば点のような場所で起きた出来事の余波が遠くまで広がることはない。危機や戦争が起きても、たいていは頭を冷やしたほうが勝つから、その影響は限定される。 だが例外はあり、今回のガザ戦争はそうした不幸な例外の1つかもしれない。 もちろん、第3次大戦の瀬戸際だと言うつもりはない。これが中東全域を巻き込む紛争に拡大するとも思っていない。 その可能性は排除できないものの、今のところ、レバノンのイ

    ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」
  • 証拠が薄すぎる「小児病院の地下はハマスの拠点」...国際的支持を失いかねない、イスラエルの「苦しい言い訳」の中身とは?

    <病院への攻撃を世界や国際機関が非難するなか、イスラエルは「証拠」で「正当性」を誇示するが...。イスラエルを支持するバイデン大統領も苦しい立場に> イスラエル国防軍(IDF)は、ガザ市内にある小児病院の地下にハマス司令部が存在していた証拠を発見したと述べている。そこに人質が拘置されていた証拠も発見したという。 パレスチナのガザ地区における戦闘は、同地区を実効支配しているイスラム武装組織ハマスが10月7日に対イスラエル奇襲攻撃を仕かけて以来、激しさを増している。 またイスラエルは、同地区最大のシファ病院を攻撃したとして、厳しい非難を浴びている。今回の戦闘を巡る厄介な問題は、病院に対する攻撃だ。病院の地下にハマス司令部が当に存在しているのか否かによって、イスラエルは国際的な支持を失いかねない。 また、イスラエルを支持する米大統領ジョー・バイデンは、難しい立場に置かれる可能性がある。 IDF

    証拠が薄すぎる「小児病院の地下はハマスの拠点」...国際的支持を失いかねない、イスラエルの「苦しい言い訳」の中身とは?
  • イスラエル側の犠牲者だけが犠牲者と認められる異常性...パレスチナ人の悲劇に沈黙する非道さ

    <イスラエル人の犠牲に同情しながら、パレスチナ市民の苦しみにも寄り添えるはずだ> イスラム組織ハマスによる最初の奇襲攻撃の残忍さと規模を目の当たりにして、世界中から、特に欧米を中心とする西側から、イスラエルに向けて同情と連帯が沸き上がった。 一方で、パレスチナ自治区ガザ地区に暮らすパレスチナ人もまた、恐ろしいほど大量に命を落としている。イスラエルは大規模なテロ攻撃に反撃して大規模な空爆を開始。ガザはかつてないほど破壊されている。 それなのにパレスチナ人に対しては、同じような同情の声は聞こえてこない。アメリカは最近まで公式にはパレスチナ市民への配慮を示さず、国連の「戦闘の一時停止」を求める決議案に拒否権を行使し否決させた。イスラエルが事実上、制限なく軍事作戦を遂行することを認めている。 ガザ地区への水、料、燃料、医療物資の供給を完全に遮断するというイスラエルの決定は、国際法上の重大な戦争

    イスラエル側の犠牲者だけが犠牲者と認められる異常性...パレスチナ人の悲劇に沈黙する非道さ
  • 日本のテレビは幼稚なのに、専制国家イランは政府批判を堂々放送...違いはどこから?

    <低俗なバラエティーやドラマ、素人起用のワイドショー...日には見るに堪えないテレビ番組が多い一方、イランでは弾圧されつつも政府批判を放送し、硬派な社会派ドラマも人気だ> 私は日に住んで22年にもなるが、いまだに慣れないのは、英語で話しかけられることでも、役所で在留カードを見せろと言われることでもない。テレビ番組がどうしようもなく幼稚であることだ。 スイッチを入れれば、べ歩き番組、たくさんの芸能人が大騒ぎするバラエティー、若いタレントが演じる能天気なドラマ、専門家でもない芸能人や元スポーツ選手が時事問題にコメントするワイドショー。テレビは娯楽だから楽しければいいじゃないかという意見もあるし、硬派な報道番組もあると言う人もいるが、いかんせん幼稚で見るに堪えない番組が多すぎる。 ちまたでは旧ジャニーズ事務所における性加害問題が大きな話題になっているが、結果的にこの問題が長年にわたり放置さ

    日本のテレビは幼稚なのに、専制国家イランは政府批判を堂々放送...違いはどこから?
  • ガザのメディアタワーを破壊した武器はアメリカ製、バイデンも売却承認

    イスラエル軍が使ったのと同じJDAM装備のGBU-32弾をテスト投下する米戦闘機(2012年、メリーランド州) Andy Wolfe/Lockheed Martin-REUTERS <バイデンが先月承認したイスラエルへの武器売却計画のなかには、ガザ地区で200人以上を殺したのと同じ武器が含まれている> ジョー・バイデン米大統領は4月、イスラエルに対して7億3500万ドル相当の武器を売却することを承認したが、この中に、イスラエル国防軍が5月15日にガザ地区の数百の地点を爆撃する際に用いたものと同じ種類の精密誘導爆弾が含まれることがわかった。これらの標的には、世界各国の報道機関が多く入居していた高層ビルも含まれていた。 米議会の各委員会の委員長は、5月5日の時点で、この武器売却について通知を受けていた。この件については17日にワシントン・ポストがいち早く報じ、誌も議会職員2人からこの事実を確

    ガザのメディアタワーを破壊した武器はアメリカ製、バイデンも売却承認
  • イスラエル・ハマス軍事衝突へのアメリカの反応はかなりバラバラ

    <直前にイランの60億ドルの資産凍結を解除したバイデンの判断が政権の失点となる可能性も> パレスチナのガザ地区を実効支配している武装集団ハマスは、現地時間の7日土曜に突如、イスラエルに対して大規模な攻撃を仕掛けました。数千発といわれるミサイルの「飽和攻撃」でイスラエルの迎撃システム「アイアンドーム」を圧倒。更に両者の戦闘史上始めて軽飛行機などで国境を突破してイスラエル領内で破壊活動を実施。これに加えて約150人と言われる民間人を誘拐するという行動に出ています。 稿の時点では、イスラエルがガザ地区への大規模な空爆で報復するともに、地上軍を投入して侵攻された領土の奪還を進めています。犠牲者は双方合わせて2000人を超える勢いです。 このニュースですが、アメリカでは発生以来最大限の扱いになっています。CNNやFOXニュースなど、ニュース専門局はほぼこのニュースを中心に延々と報道を続けています。

    イスラエル・ハマス軍事衝突へのアメリカの反応はかなりバラバラ
  • OISTが燃料不要な「量子エンジン」の設計・製作に成功 エネルギー新時代の幕開けか

    量子テクノロジーの進展で期待が高まる量子エンジン(写真はイメージです) Nataliya Pylayeva-Shutterstock <量子エンジンはどのような原理で動くのか。これまでに話題となった「熱を使わないエンジン」の開発史とともに紹介する> 沖縄科学技術大学院大(OIST)とドイツの複数の大学による国際研究チームは、世界で初めて「量子力学の原理を用いたエンジン」の設計・製作に成功しました。 現在使われている熱機関(heat engine)は、熱をエネルギー源としています。熱源や燃料を装置外から取り込むものは外燃機関、装置内で生成した熱エネルギーを利用するものは内燃機関と呼ばれます。 18世紀半ばから19世紀に起こった産業革命では、石炭を利用した外燃機関である蒸気機関の開発で動力源が刷新され、社会構造が変わりました。その後、外燃機関は小型軽量化が難しいことから、自動車や飛行機などの輸

    OISTが燃料不要な「量子エンジン」の設計・製作に成功 エネルギー新時代の幕開けか
  • 新型コロナ「万能ワクチン」が開発される 将来の変異株まで対策できる可能性

    これまでのコロナワクチンの多くはスパイクタンパク質を標的としてきた(写真はイメージです) Corona Borealis Studio-Shutterstock <英ケンブリッジ大と同大から生まれたバイオテクノロジー企業のDIOSynVax社が、あらゆるタイプの新型コロナ変異株に対して免疫を獲得できる可能性があるワクチンを開発した。その研究概要、現行ワクチンとの違いを紹介する> 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症が第5類に移行してから、まもなく5カ月になります。 政府や自治体は個人に対して緊急事態制限や入院措置などの行動制限ができなくなり、マスクの着用も個人の判断にゆだねられるようになりました。飲店への営業自粛要請や第三者認証制度はなくなり、スポーツ観戦や音楽ライブでは収容率100%での開催と声出し応援が解禁されるなど、生活や娯楽は新型コロナ前の状況に戻ってきたと言えるでし

    新型コロナ「万能ワクチン」が開発される 将来の変異株まで対策できる可能性
  • ウクライナの子供たち2万人を拉致...未曽有の戦争犯罪に突き進むプーチンの目的とは?

    子供連れ去りに関してICCはプーチン大統領(左)とリボワベロワ大統領全権代表(右)に逮捕状を出した MIKHAIL METZELーPOOLーSPUTNIKーREUTERS <ロシア占領下のウクライナから1万9000人の子供たちが連れ去られた。プーチンの真の目的は何なのか。誌「ルポ ウクライナ子供拉致」特集より> ロシアによるウクライナ侵略で顕在化した深刻な問題の1つに、「子供の連れ去り」がある。 ウクライナ当局によれば、これまでに少なくとも1万9000人のウクライナ人の子供たちがロシア支配地域およびロシア土に連れ去られているという。そのうち、帰還を果たした子供たちの数はわずか400人足らずといわれ、一度連れ去られてしまった子供たちを取り返すのは容易なことではない。 子供の連れ去りは、ロシアによる侵略開始後、ロシアの支配下に入ったウクライナの東部・南部4州の各所で報告されている。侵略開始

    ウクライナの子供たち2万人を拉致...未曽有の戦争犯罪に突き進むプーチンの目的とは?
  • 「第2自民党」を自認し、共産党はなくなっていいと言った日本維新の会・馬場伸幸代表から失われた「野党の矜持」

    「第2自民党」を自認し、共産党はなくなっていいと言った日維新の会・馬場伸幸代表から失われた「野党の矜持」 <議会制民主主義の下で、他党の存在を否定するのはもってのほかだが、第2自民党という主張にも国政の監視がおそろかになる危険性が垣間見える> 7月23日、日維新の会の馬場伸幸代表がインターネット番組に出演し、日維新の会は「第2自民党」ではないかという指摘を受けて、それを肯定し、第1、第2自民党が「改革合戦」を行ったらよいと述べた。またその際、日共産党について「なくなったらいい政党。おっしゃっていることがこの世の中でありえない」と述べ、この発言が大きな問題となっている。 共産党について「なくなったらいい政党」と発言したことは、大きな波紋を呼んでいる。維新の会の馬場代表のこの発言に対し、共産党の小池書記局長は会見を開き、「民主主義を根から否定する暴論だ」と厳しく抗議し、発言の撤回を求

    「第2自民党」を自認し、共産党はなくなっていいと言った日本維新の会・馬場伸幸代表から失われた「野党の矜持」
  • クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由

    <原爆開発をテーマにしたこの作品を、被爆国日は当事者として評価する権利がある> 現在、世界で最も注目されている映画監督の1人、クリストファー・ノーラン監督(『ダークナイト』『インターステラー』)の最新作『オッペンハイマー』がアメリカで公開されました。7月21~23日という、最初の週末の興行収入は8250万ドル(約117億円)と、科学者の伝記映画としては例外的なヒットとなっています。 内容は、アメリカ陸軍による原子爆弾開発計画「マンハッタン・プロジェクト」のリーダーを務めた物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描くものですが、単に原爆開発のストーリーだけでなく、非常に複雑な構成が取られています。主人公の半生に加えて、後に「赤狩り」の犠牲者として追及を受けた尋問の様子、さらに彼を陥れた黒幕に対する議会の審議という3つの時間軸がモザイクのように散りばめられ、それぞれが緊張感のある対話劇にな

    クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由
  • デモ参加者を「害虫」扱い...なぜフランスの警官は、ほかの欧州諸国に比べて乱暴で高圧的なのか?

    10代の若者が警官に射殺され、各地で暴動が起きた(6月30日) JUAN MEDINAーREUTERS <荒くれ者ぞろいの警官が貧困地区の移民を射殺、「差別はない」との建前と現実の大きな矛盾> 公式には人種差別の存在を否定しているフランスでアラブ系の少年が白人警官に殺され、怒りの暴動が全国各地で起きた。この国の治安当局に、暴力と人種差別の体質が染み込んでいる証拠だ。 【動画】フランス各地での抗議デモ(5日目夜) そもそも大都市周辺の最貧地区では、以前から黒人やアラブ系の住民と警官隊が一触即発の状態にあった。しかもフランスの警官は、ほかの欧州諸国に比べて乱暴で高圧的なことで知られる。 去る6月27日、アルジェリア人とモロッコ人の血を引く17歳の少年がパリ西郊外のナンテールで、交通検問中の警官に射殺された。現場に居合わせた市民が一部始終をスマホで撮影し、ネットに上げた。その動画が瞬時に拡散し、

    デモ参加者を「害虫」扱い...なぜフランスの警官は、ほかの欧州諸国に比べて乱暴で高圧的なのか?
  • 女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに

    <有志による「女性支援を守るメディア連絡会」の調査で、団体スタッフや利用者に対するストーカーまがいの嫌がらせが横行し、女性支援の活動が危機にさらされていることがわかった> 3月に書いたコラムで、女性支援団体Colaboが公金の不正使用の疑いで攻撃されていたが、住民監査の結果Colaboの会計に不正はなかったと認められたと紹介した。それにも関わらず、5月に至ってもなお、Colaboは叩かれ続けており、様々な嫌がらせによってその活動に制約を受けている。 そしてColaboと同じく「東京都若年被害女性等支援モデル事業」を受託した団体など、他の女性支援団体も、やはり酷い嫌がらせを受けていたことがわかった。このような異常な事態への対応を当事者だけに押し付けてはならない。行政やメディアが毅然とした対応を取らなければ、嫌がらせは終わることはないだろう。 オンライン上で多くの被害 女性支援の現場が危機に晒

    女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに
  • 「マスク着用社会」は非常にマズい...今すぐ外すべき、これだけの理由

    マスク着用がこのまま定着してしまったら、若者たちが担う未来の日社会は一体どうなってしまうのか> 日政府の新たな方針発表により、3月13日からついに正々堂々とマスクを着用せずに生活できる日々が戻ってきた。私は混み合った電車や病院など感染リスクの高い場所以外では、マスクをしないで過ごしている。 ところが、予想を上回る数の人々がマスク生活を続けている(13日の品川駅では約9割の人がマスクを着けていたという)。感染リスクのある場所だけでなく、周りに誰もいない道路を一人で歩いている人までマスクをしている。花粉症のせいかとも思ったが、どうやらそれだけが理由ではない。日で花粉症を持つ人は人口の約半分だし、花粉の飛ばない雨の日まで皆マスクをしているのだから。外国人の目には、日だけがコロナ感染の真っ最中のように見えるだろう。非常に奇異だ。一体どうしてまだマスクを着けているのか? 私は周囲の人々に、

    「マスク着用社会」は非常にマズい...今すぐ外すべき、これだけの理由