山口昌男の手紙 文化人類学者と編集者の四十年 作者: 大塚信一出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2007/09/04メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (17件) を見る 岩波書店にて山口昌男の編集者を長く勤め、岩波書店の社長であった著者が、山口からの私信を公開しつつ、彼との知的交流を綴った本。山口昌男と言えば、中心と周縁、トリックスターなどのきらびやかな言語で、一時期の思想界を席巻した異彩の研究者である。だが、いまの若い人はもうぴんと来ないのではないか。このようなタイプの人が、今後、どのように受容されていくのか、あるいはいかないのか、予想がつかない。本書の内容を読んでも、山口が、日本を離れて海外で走り回って、たくさんの著名人たちと交流している様は、どこか岡本太郎に似ている。ただし、海外の著名人と言っても、だいたいが欧州の同時代の有名人だから、時代が変わっ